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甘いニトロみたいな匂いと、
懐かしい匂いに包まれて目が覚めた。
こんな幸せな朝は何年ぶりだろう。
気持ちよくてついついまた落ちそうになる瞼をもう一度開けると、寝返りをうった。
普段の枕とは違う硬くて細い腕。
寝返りをうつと見えた気持ち良さそうに眠る勝己。
起こすのも悪いけど目が覚めちゃったものはしょうがない。
ゆっくり体を起こすと私にかかっていた分のタオルケットを勝己に掛けた。
.
懐かしい匂いの原因はこれか。
なんて、寝室のキャビネットの上に置いてあったアロマキャンドルを手に取って、眺めるように色々回してみて、
燃え尽きたキャンドルから僅かにまだ匂いが残ってることに気がつく。
なんの匂いだっけ、思い出せないけど
どうしてもそれが欲しくなっちゃって商品名の欄を見た。
今度見つけたら買おう。
.
キャンドルをキャビネットの上に戻すと、
寝室のドアを開け、リビングに向かって歩く。
キッチンからガサガサ音がして、顔をのぞかせると、
必死な顔をして何かを探す切島くんと、その近くで頭を抱えている瀬呂くん、冷蔵庫から水を取り出し、グラスに注ぐ上鳴くんがいた。
「おはよう。」
「あっ、Aちゃんおはよう！」
なんでかはわかんないけど、こっちに気づいた切島くんはカクカク動いた。
「ちょっと待ってな、鎮痛剤いるよな。」
「別に二日酔いしてないけど」
「いや、腰しんどいだろ？」
上鳴くんは私と瀬呂くんに薬を投げ、
水を差し出した。
「無理すんなって、久しぶりだっただろ？」
全くなんのことかわかんなくて切島くんに視線を送るけど彼も憐れむような目で見てくる。
「おい」
なんのこと、って聞き返そうとするのと同時に後ろから低い声が聞こえた。
「爆豪、お前…」
切島くんが勝己に少し怒ったように近づくと、
勝己は切島くんに向かって両手を爆発させた。
「クソが！昨日は抱いてねえわ！」
「…え？」
.
暫くの沈黙の後、3人はありえないと言わんばかりに叫んだ。
朝からテンション高いな、
「あの爆豪が？」
「なんか俺二日酔い治ったわ」
「信じらんねえ…」
「…ったく、クソが。」
勝己は怒ったように3人を睨むとキッチンから追い出し、カゴの中からいくつかのパンとフルーツを取り出した。
.
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作者名：ほわいてぃべてぃ。(明織) | 作成日時：2017年4月30日 21時
