【MHA】不香の華 (ページ14)

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さっきからAちゃんはずっと下を向いて俺たちと目を合わせようとしない。

「卒業してから初めて会ったねー、」

なんて敵として会ったことをはぐらかしているように、苦笑いを浮かべた。
まあ俺は実際敵のAちゃんを見たことはないんだけど。

「はっ、クソ女が、ふざけたことぬかしてんじゃねえぞ！」

爆豪は座る彼女の前にやって来ると、
頬を潰した。

まるで高校時代のようなやりとりに俺はちょつとだけ心が痛んだ。

高校時代のようなやりとり、
だけど、
敵とヒーロー

「A、お前なんで1人であんな街中にいた。」

「お買い物。」

そう言って彼女は有名な下着ブランドの紙袋をあげた。
爆豪はそれを取り上げると自分の寝室に投げ入れた。

「馬鹿、返して。」

「テメェはここに住むんだから寝室に置いて何も問題ねえだろ」

「ありまくりだわバカ！」

俺は爆豪の頭をチョップした。
どこに問題があるんだってこっちにむかって爆破してくる爆豪を、抑えつけると俺はため息をついた。

「仮にもAちゃんはヴィランなんだろ？」

「違う、普通のOL」

「いや、ヒーロー科出身がOLなんてならないから。」

「違う、俺の女」

「いや、それ職業でもなんでもねえだろ。」

上鳴、瀬呂も俺に続いてツッコむ。
あくまで敵ではないと言い張るAちゃんと、
そこは関係ないと言い張る爆豪。

なんでAちゃんが敵やってんのかはわかんないけど、なんとなく苦しそうな彼女を見てると、ほんとに敵なのかなって疑ってしまいそうだった。

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