【ジョジョの奇妙な冒険】拾われた女装少年【男主】 (ページ6)

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四話ページ6

主人公視点です

突然のことで、わけがわからなかった。
ブチャラティに抱きしめられている。

「ちょっ…ブチャラティ……？」

反応はない。
最初のうちは彼を引きはがそうと肩を押し返したが、僕よりもずっと大きい彼には全くきかないようで諦めた。
しばらくすると、また涙が溢れ始めた。
久々の人のぬくもり、優しさに触れ嬉しくて仕方がなかった。

僕はブチャラティにすべてを話した。
信じていた父に襲われかけたこと。そのせいで人が信じられなくなっていたこと。
身寄りもなく孤独に生き、人生に絶望していたこと。

楽しい話ではないのに、彼は嗚咽交じりの僕の話をしっかり最後まで聞いてくれた。
そして、辛かったな、と頭を撫でてくれた。

「落ち着いたか？」

しばらくして涙が止まった頃に彼が声をかけてきた。
ハッとする。

「あっ、うん！ごめんなさい…ありがとう…」

初対面の人の前で情けなく泣きじゃくったことへの恥ずかしさが今更襲ってくる。

「気にするな。今タオルを持ってくる」

何故今タオル？と思った僕の顔を見てくすりと笑う。
恐らく疑問が顔に出ていたのだろう。

「これから挨拶をするのに、そんなに目を腫らしていたら俺が皆に勘違いされる」

冗談交じりに言うとそのまま部屋を出て行った。
そんなにひどい顔をしていただろうか、と目元に手をやる。
流石に触って分かる程腫れてはいないのだろうが、久しぶりにあんなに泣いたのだからそれはもう赤く腫れていることだろうと恥ずかしくなった。

しばらくして濡れタオルを片手にブチャラティが戻ってきた。
それを僕に手渡し、腫れが引いたらチームの皆に挨拶に行こう、と言って僕の隣に座った。