Kiss You Back / 盛山晋太郎 ページ3
「ただいま」
家に着いて部屋のドアを開けると、いるはずのない彼女がそこにいた。
「あ、おかえり〜」
「あ！？」
「あ！？ってなに、喧嘩売ってる？(笑)」
笑いながら、テーブルで何かを書く手は止まらない。
「いや、だって…え？明日帰るって…言うてたやん」
そう。
昨日は彼女の賞レースだった。
当日は泊まると、次の日は東京の友達と遊んで泊まるって…
「 " なんでおんねん！ " てこと？急だとマズかった？なんかいかがわしいもの隠す時間欲しかった？(笑)」
「いや、まぁ、別に隠すようなもんも無いしええけど…ビックリしたねん、驚かせよって」
ごめんごめん！なんて笑いながら返す彼女に悪びれた様子も無い。
まぁあっけらかんとしてるのが彼女の魅力でもあるけど。
「で？なにしてん？」
「ネタ書いてるの」
「えっ？はや…」
へこたれるとか知ってんねやろか…この子は。
「結果ダメやってん、あの後皆んなで飲みに行った後にめちゃくちゃ刺激受けて、いてもたってもいられんくて！」
それで急いで帰ってきてネタを書いてると言うのか…
「なんか…つよ…。ホンマ尊敬するわ」
「は？なんで！(笑)どういうことよ」
「いや、もっとこう…落ち込むんかと思ってたから」
そう言うと、彼女は走らせてたペンを置いてこっちに顔を向けた。
「じゃあー…」
彼女は両手に荷物を持った俺もお構いなしに、腰に抱きついてきた。
「落ち込む時間が勿体ないって、今まで思ってたから、いつもこうやって絶え間なくネタを書き続けてたの」
両手の荷物を下ろして、彼女の背中に手を回すと彼女の腕にも力が籠る。
「それがAのやり方なら、止めへんよ」
「うん。ありがとう。これを変えるつもりは無いけど………じゃあ、これからは甘やかしてくれる？」
腕の中の彼女と目が合った。
「当たり前」
Baby, you never look down
(君は決して下を向かない)
例えこの空が fall down
(例えこの空が降ってきたとしても)
Hey, you never say no
(ねぇ、君は絶対的ノーと言わないよね)
全てが終わろうとも
Kiss You Back / Nulbrich
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みか - はじめまして。寿司太郎さんの小説がとっても好きです。私もリクエストさせて下さい。二宮和也さんの「GimmickGame」を盛山さんで見たいです。よろしくお願いいたします (2020年12月22日 0時) (
レス) id: 537ffb3acd (このIDを非表示/違反報告)
ひなちゃ、(プロフ) - 素敵なお話いつもありがとうございます！(;_;)リクエストはまだ受け付けておりますでしょうか？まだ大丈夫でしたら、aikoさんの「君の隣」をリリーさんで見てみたいです。これからも更新楽しみにしています！ (2020年8月27日 23時) (レス) id: 4c986a5ef9 (このIDを非表示/違反報告)
類 - リクエストに応えて下さってありがとうございました！ただ単に好きな曲をリクしてしまったので書き辛かったのでは、と申し訳なく思っていたのですが、作品を読んだ時凄く凄く良くて寿司太郎さんの作品の虜に改めてなりました。素晴らしい作品をありがとうございました！ (2020年7月8日 0時) (レス) id: 8acde5b950 (このIDを非表示/違反報告)
仍(プロフ) - リクエスト叶えてくださってありがとうございます！！とても良かったです！これからも楽しみにしております。 (2020年7月7日 22時) (レス) id: 045a13f972 (このIDを非表示/違反報告)
類 - 前作から読ませて頂いております。また寿司太郎さんの作品を読めるのがとても嬉しくて嬉しくて...！日々の愉しみになります。ありがとうございます。リクエストですが、盛山さんでサカナクションの表参道26時をお願いしたいです。 (2020年7月3日 23時) (レス) id: 8acde5b950 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寿司太郎 | 作成日時：2020年6月16日 23時
