ブリュレ (ページ4)

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#４将来ページ4

ある日

「え？飲み会？いくいく！」

「やっぱり～！Aなら言うと思ったぁ！結構大所帯になるっぽいけどお店の団体部屋取れてるみたい」

樋口から飲み会の話を聞いたのはその日の仕事終わりだった。
「劇場のメンバーで飲み会するって誘われた」と。

もともと大勢で呑むのが好きな私は二つ返事で参加を決めた。

「てか、そういえば彼氏はいいわけ？」

「あぁ～、同棲してるわけじゃないしね。軽く連絡だけすれば大丈夫！」

「そっか、じゃあちょっと早いけど行こか」

店に着いて予約していた名前を告げると、すでに何人かの芸人が到着していた。

時間になると、おおよそ席もなんとなく決まってきて周囲の芸人とお酒を交えてプライベートな話に花を咲かせた。

「え、ぶっちゃけ結婚てどうですか？」

「え？なんや、結婚するん？」

先輩で既婚者でもある令和喜多みな実の河野さんにそう聞くと、やけにニヤニヤしながら酒を煽った。

「そやないけど～、そらしたいとは思ってますよ！やから先輩にどんなかな、って聞こうと思って！」

「なんかあんまそういう話をお前から聞かんから、なんかソワソワすんな(笑)」

「なんやそれ(笑)そんな意外でもないでしょ！私だって彼氏いてるんですからね！」

「分かってるって(笑)」

酒も入って、そんな冗談を言いながら河野さんとふざけて戯れていると私の携帯が震えた。

「Aのんちゃう？なんか携帯震えてんで」

「あれっ、ほんまや…」

携帯の画面に浮かんだ文字は " ヒロさん "

出ようか出まいか悩んでいるうちに、携帯は静かになったが、河野さんが気を遣ってくれた。

「誰やってん？電話？出てきいや」

「ええですか？すんません～」

私はこそっと部屋を出て店の外で改めて、彼に電話を折り返した。

「はぁ～あ…」

呑んだ、めちゃくちゃ呑んだ。

周りはペースの早かった後輩芸人が何人か萎れて潰れる直前まで来てたり、先輩芸人がアツく語ってたり…
ちょっと酒臭い。

外の空気が吸いたい。
そう思って席を立つと、こうへいが眠そうな目を擦ってこちらに気付く。

「あれ、どこ行くん、？」

「ちょっと、空気入れ替えてくる」