【ヒロアカ】ヴィラン連合の夜叉 (ページ6)

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美しさと恐ろしさページ6

バーの淡い飴色の証明が、仄かに彼女の白銀の髪を色付け、

その彼女の髪は鈴の音が聞こえそうなほど涼やかに揺れている。

冬の雪を連想させる白い肌に咲く椿の色をした唇から紡がれる言葉は少なかったが、

その声はどんな女神や人魚姫より美しく、

どんな天使や妖精よりも愛らしい。

黒い着物は少女の雪肌を穏やかに主張する。

実年齢がはっきりしない程、不安定な美貌を持つ少女。

花魁の様に成熟した艶のある色気と、

童女の様に見る者を虜にする可憐さ。

彼女の体は華奢で、誰も殺人鬼と言われようが信じないだろう。

唯一違和感があるとするならば、

本来ならば太陽かの如く光る笑顔も

静かに降り注ぐ雨の如く儚い涙目も

雷かの如く美しい顔を歪める憤りも

夜の静寂の如く称える悲しげな微笑も

全て“げっそり”という表現が付いてしまいそうな程その顔から抜け落ちてしまっていることだろう。

彼女の紫水晶の瞳は外部の光を拒絶しているような、ぼうっと生気のない濃紫を強調する。

でもそれさえも、美しいと感じてしまう異様さ。

きっと美しいという言葉は彼女の為だけにあるのであろうし、

可憐も愛おしいも同じだろう。

それでも、

彼女がそこにいるだけで、

凶悪犯共は自ら頭を垂れて蹲い、

聖職者らは無意識の内に彼女に祈り、

殺人事件がまた一件増えている。