梟谷10番、次期エース【男主】

22話 ページ23

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木葉さんはあの後白福先輩に連れられて医務室に行った。

目を閉じて深呼吸をする。

コートに立てないことはすごく悔しいと思う。

でもそんな悔しさを出さずに俺に託してくれた木葉さんのためにも、梟谷のためにも、勝たないといけない。

よし、もう大丈夫。
ちゃんと戦える。

目を開けるとそこには今の俺の全てであるバレーボールの試合会場。
相手は全国3本指のエース。
味方は世界で最強の仲間。

大丈夫だ。
ちゃんと繋げる。

試合再開の笛が鳴る。

尾長のサーブで再開された試合は相手コートのセッターの上。

上げるのはきっとウシワカ。

リベロの小見さんは不在で後衛は尾長と猿杙さんと俺。

っっ来た。

うわ、おっっも！！！

『っすみません！！』

一切上に上げられずに弾いてしまった。

「空付！顔怖ぇぞ！！」

木兎さんに背中を叩かれる。

『！！』

「次上げれば良し！！」

「流石に次っていうのは空付でも難しいんじゃないですか？」

「む！！
じゃあ3本？5本？
…取られたら倍取り返せば良し！！！」

明らかに考えるのを放棄した木兎さんに思わず笑ってしまう。

あれ？
もしかして俺、コート入ってからずっと表情硬かった…？

「空付は、いつもみたいに楽しくやってれば大丈夫。」

『！！はい！』

全部見抜かれていたことにびっくりして、でもそれが嬉しくて。

やっぱりこの学校を選んだことは間違いじゃなかった！！


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前回の文字数が2039字でした(オーバーまで9字！！)

木葉さんの葛藤だったり、夏合宿までの二人の関係が少しでも伝わってくれていたら嬉しいです。

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