第三十一話 ページ37
「…今まで以上に警戒した方がいいぜ。第二の怪盗騒ぎが巻き起こってる最中に、前回と今回の被害者が会ってるわけだしな。」
モルガナがそう言うと、杏ちゃんは不安そうな顔をした。
「まさか、会話聞かれたりとか…」
「ヘーキだよ、この人混みだ。気にしてんのは俺たちだけ。」
そんな杏ちゃんとは対照的に、竜司君は楽観的なようだ。
「それもそうか…」
「ところでさ、祐介。班目から、なんか聞けた?怪しい奴がどうのとか言ってたじゃん?」
「それが…問い詰めてみたんだが。奴は自分に何が起きたかさえ理解していない。」
「私らに欲望盗られたこと、実際に見たわけじゃないんだもんね。」
「ヘタすれば刑務所行って噂だ。奴から情報を得るのは難しいだろうな。」
聞き覚えの無いワードにが出てきた。
「怪しい奴…?」
そう言うと、杏ちゃんはハッとした。
「そっか、Aちゃんは知らないもんね。班目を改心したとき、アイツ、黒い仮面がとか言ってて…」
「黒い仮面?」
怪盗団には黒い仮面の人はいない。。
「つかお前、これからどうすんの?」
竜司君がそう言って視線を向けたのは祐介君だ。彼にとってあばら家は安心して暮らせる場所ではなかったのだから。
「あの家はもう出るよ。あんな場所ではもう絵は描けない。」
「アテ…あるの?」
「学生寮がある。美術家特待生の俺は無償でいいそうだ。」
「特待生!?え、お前すごいの…?」
竜司君はこのことを知らないらしく、とても驚いていた。
「それにしても無償ってすごいね。流石祐介君だ。」
「それか高巻さんの家でもいい。」
すごいなと思ってた矢先にこれだ。相変わらず何を考えているのかわからない。つい、この前杏ちゃんから聞いた裸婦画の話しを思い出す。
「…って、はぁッ!?」
そりゃこんな反応するだろう。
「いつでもモデル頼めるし?」
「ばか!」
「まぁ、祐介も一人になって、集まりやすくなったけどな。」
「ひとまずは、事件経過について様子見だ。」
「それに、班目級の大物ってなると、時間も多少かかりそうだしよ。」
「とにかく、大人しく学園生活しつつ、次のターゲット見つけよう?」
「リュージ、また頼むぜ。」
「それまでは準備だな。」
全員荷物を持って移動する。誰かが見ているとも知らずに。
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金糖の少女 - ウワアアアア夢主ちゃんの怪盗服まんまルキナやんて思ってたら、まさか主さまもFE覚醒知ってるとは、、、!!!夢主ちゃそめちゃかわいいです、!!言っちゃ失礼かもしれませんが私が見てきたなかで夢主絵を体のバランスとかしっかりとれてる人あなたがはじめてです! (1月15日 8時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ほだん(プロフ) - いちごさん» わ!初めてのコメントです!ありがとうございます…!毎日の楽しみとは…!とても嬉しいお言葉です!まだまだ書きたいことはいっぱいあるので、これからも応援よろしくお願いします…! (2020年5月21日 17時) (レス) id: 5f0d6cbb79 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - はじめまして!この作品が更新されるのが毎日の楽しみになってます。これからも更新、無理のない程度で頑張ってくださいね!続編も楽しみにしてます。 (2020年5月21日 17時) (レス) id: 916bc40868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほだん | 作成日時:2020年5月16日 9時