第十七話 ページ19
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「なあ、さっきのヤツのことだけどよ」
四軒茶屋へ行く電車に乗り換えると、モルガナはそう話しかけてくる。
「アイツ、ペルソナを持っていなかったのに、オマエの銃を使ってあんな威力を出したぞ?それに銃撃無効相手にだ。これはどういうことだと思う?」
Aはダウンした拍子に吹っ飛んでしまった俺の銃を使いシキオウジを一撃で倒した。自分の使ってるモデルガンであり、さらに所持しているペルソナの能力も関係してくるが…
自分が使ったときはシキオウジに銃なんて一切効かなかったのである。
もしかしたら何か貴重な戦力になったりするのかもしれない。そんな考えをモルガナに伝える。
「うーん、確かにあの威力がありゃあ心強いが、あの様子だと、長居は無理だと思うぜ。今回の作戦には連れて行かなくていいだろうな。」
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チャイムが鳴り、その直後に「高巻です」と外から聞こえる。まだ帰っていないのかと思いながら玄関を開けると、他の男二人はいなく、高巻きさんのみの姿があった。
「どうしたんだ高巻さん。モデルの件は今日はもう…」
「ううん、そうじゃないの。これ、預かってて…」
そう言って彼女が俺に差し出したのは、俺の学生証が入ったパスケースだった。
「どうして高巻さんがこれを?」
「実はさっき、男の子が一人こっちに来て…ちょっと緑っぽい黒髪で髪の毛を一つにまとめてる子」
恐らくAのことだろう。しかしなぜ彼がこんなところに…?
「落とし物、届けたかったみたいで、でもあんまり調子が良くないのか、さっきここで倒れちゃったの。それで私は代わりに届けに来たの。」
「倒れた…?」
「うん。なんか頭が痛かったみたいで…大丈夫、ちゃんと帰ったから。」
「そうか…ありがとう。」
彼女の手からパスケースを受け取る。
***
モルガナさんの話を聞く限り、喜多川君は今相当苦しんでいるのだろう。個展があったあの時、なぜ喜多川君があんなに悲しそうな顔をしたのか今ならわかる。
僕は一度あの絵を喜多川君のものだと見抜いた。なのに、僕は流されるまま彼に本当のことを聞かなかった。彼を、傷つけてしまうかもしれないという恐怖で。
どうしようかと思い、なんとなくスマホの画面をみると、そこにはダウンロードした記憶のないアプリのアイコンがあった。
得体のしれないアプリにぞっとし、ひっそりとアイコンを消した。
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金糖の少女 - ウワアアアア夢主ちゃんの怪盗服まんまルキナやんて思ってたら、まさか主さまもFE覚醒知ってるとは、、、!!!夢主ちゃそめちゃかわいいです、!!言っちゃ失礼かもしれませんが私が見てきたなかで夢主絵を体のバランスとかしっかりとれてる人あなたがはじめてです! (1月15日 8時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ほだん(プロフ) - いちごさん» わ!初めてのコメントです!ありがとうございます…!毎日の楽しみとは…!とても嬉しいお言葉です!まだまだ書きたいことはいっぱいあるので、これからも応援よろしくお願いします…! (2020年5月21日 17時) (レス) id: 5f0d6cbb79 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - はじめまして!この作品が更新されるのが毎日の楽しみになってます。これからも更新、無理のない程度で頑張ってくださいね!続編も楽しみにしてます。 (2020年5月21日 17時) (レス) id: 916bc40868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほだん | 作成日時:2020年5月16日 9時