公開で ページ38
「さてAちゃん」
『なぁに？』
「今日何の日か知ってる？」
『配信日？今？』
「今。そこの窓、覗けば分かるよ」
『なんだっけ…あ、双子座流星群…(声が遠くなる)でも都内じゃ見えn…あ、十三夜』
「うん、どう？」
『ここって、こんなによく見えるんだね！めちゃめちゃ月が綺麗！翔君、月が綺麗だよ！』
「ふふふっ…wwwAちゃん、もう一度言わせて」
『ん？』
「ずっと月を見ようね」
『(ｶﾞﾀﾝ)』
「あ、大丈夫？」
『翔君、今ラジオ』
「うん、録ってる」
『なにこれ…』
「Aちゃんが大好きなサプライズ」
『っ…しょぉくんの、ばかぁ〜っ…(泣)』
「あーあ…泣いちゃったww」
『なんで、いま、言うの〜(泣)』
「始まりも“うえのがみ”だったから」
『ほーそー、できないじゃぁーん(泣)』
「出来るよ。作家さんたちにも、マネージャーにもちゃんと断り入れといたもん」
『しらなかった〜(泣)』
「サプライズだからねwww今までで1番いい反応wwねぇ、答え聞いていい？」
『〜っ…こちらこそ、お願いしますっ』
「あーよかったぁー…緊張したー！ほら椅子戻ってwww」
『まって…腰抜けた』
「もーwwwww」
『あ、ごめん』
「(少し遠い)ほら、座れる？」
『(声が戻る)ん、ありがとう』
「ん…(声が戻る)ん？なんか前もここでこんな事したなwwwまぁ今回は俺が原因だけどww」
『…コレ夢？…い!?いひゃい!!いひゃい!!』
「柔らかwwwね？夢じゃなかったでしょ？ww」
『え、大天使のがエル様が凄い笑顔で頬っぺ抓った!?』
「夢とか言うからでしょwwそれとも…夢の方が良かった？」
『やだっ！』
「良かった。っと言うわけで」
『え…ここまでがドッキリ？』
「ちがうよwwwごめん、台本に戻ったww」
『あ、台本か…』
「Aちゃんはちょっとそのまま聞いてて。ステイ」
『はい』
「少しリスナーさん置き去りにしちゃったので、改て。私事で大変恐縮ですが、たった今彼女にプロポーズさせて頂きました。さっきも言った通り、俺達が付き合い始めたのはこのラジオの収録の後だし、ちゃんと声で皆さんに交際の報告をしたのもここなので。ここにいるスタッフさんとリスナーさんに証人なって欲しかったんです。とりあえず明日、義兄さんの墓前とご両親と弟さんと保護者会にご報告します。以上、この時間のお相手は、まだ心臓がバクバクしてる野上翔と」
『あ、上野…Aでした』
「それ名乗るの今日が最後かなww」
『え、あ…』
「ほら、締めよww」
『あ、はい』
「『ばいばーい』」
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作者名：福招猫 | 作成日時：2021年9月20日 23時
