地震 ページ27
仕事が終わって宗悟と駅まで歩いてる時、急に色んなところで一斉に大きい地震が来るアラームが鳴り響いた
電信柱や自販機が倒れたり上からガラスが振ってくる事も考えて念の為近くの公園に避難すると、すぐに足元からグラグラと揺れてしゃがみこむ
「うわっ」
「結構デカいな…」
「ね…Aちゃん大丈夫かな…」
真っ先に心配になるのは家で夕飯を作ってくれてるだろう彼女のこと。
宗悟がスマホで震源地等調べてるのを見て、リュックの奥底にしまったスマホを手探りで探すが、普段あまり使わないからなかなか手に触れない。あれ、持って来てないっけ…
「…あ、野上」
「ん?」
宗悟に呼ばれ向けられたスマホを見ると彼女のツイート
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@うえこ
怖くてナイトとテーブルの下に隠れながら、地震大丈夫?って電話したらチェストの上で鳴ったので安否確認出来ません
…誰かウチの大天使様ご一緒でないですか
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スマホ家だったか…
「借りていい?」
「うん、返事してやって」
貸してもらったスマホで彼女の呟きに宗悟のアカウントで返信する
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│
@仲村宗悟
宗悟と一緒にいる。無事だよ。そっちは無事?
│
@うえこ
兄の写真立てと花瓶とか落ちて割れた。フィギュアとか酒瓶は無事だと思う
│
@仲村宗悟
家の被害より、Aちゃんの方が心配。怪我はない?
│
@うえこ
怪我はないけど…怖くてテーブルから出られない。腰抜けた
│
@仲村宗悟
すぐ行くから、待ってて
│
@うえこ
ありがとう
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「宗悟、スマホありがとう」
「うえこ大丈夫そう?」
「怪我はないらしいけど…」
「アイツこういうのマジでダメだもんな…」
完全に揺れも収まり、スマホを返して再び駅まで行こうと公園を出たところで街の異変に気が付いた。地震の影響で停電したらしい。信号も街頭もビルも…電気が消えていて真っ暗だった
「…都内各所で停電だって。電車も止まってるらしい」
「うぅわ…帰れねぇじゃん」
ココから彼女の待つ家まで5駅。電車が止まってるって事はタクシーバスは人がごった返してるだろう…テーブルの下で蹲ってるAちゃんの元に早く駆け寄りたいのに…
一応までたどり着いた駅は案の定、真っ暗で人が溢れ返っていて、タクシー乗り場も長い行列が出来ていた
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作者名:福招猫 | 作成日時:2021年9月20日 23時