おやすみなさい ページ47
『のがエル?』
「寝よっか」
『…うん』
「ふふっ…おいで」
日頃ベッドからよく落ちると言う彼女を壁際に寝かせて、そっと抱き寄せるとAちゃんは少しビクッっとしたあとパチパチと数回瞬きをした
「寝れそう?」
『緊張して寝れない』
「俺も緊張する」
『慣れてるでしょ』
「なわけないでしょ」
『スマート過ぎ』
「翔福翔来クリスマス企画のおかげかな」
『胸きゅん集めるやつだ』
「なに聞いたの?w」
『オマケまで全部聞いたよ』
「恥ずかしw」
『ホテルで寝れなかった夜は聞きながら寝てた』
「クマ凄かったけど…ちゃんと寝れてた?」
『あの期間は眠り浅かったけど…ないより寝れた』
「ホントに?」
『うん、のがエルの声安心するから。今も毎晩聞いて寝てるよ』
「言ってくれたら電話するのに」
『電話したらずっとあたしに付き合って、寝ないで起きててくれちゃうから』
「じゃぁさ…どうしても寝れない日が続いたらラジオじゃなく…俺呼んでよ。こうやって一緒に寝てあげるからさ」
『ふふっ、どんな抱き枕より安眠出来そう』
話しながら、抱き寄せ右手で頭をポンポンっと一定のリズム撫でて左手Aちゃんの指と絡ませると彼女は俺の胸元で深呼吸した
『不思議』
「なにが?」
『同じシャンプー・トリートメント・コンディショナー・ボディーソープ・洗顔料使ってるはずなのに、のがエルの香りの方が落ち着く』
「そう?俺Aちゃんの匂いの方が落ち着くけど」
『ふふっ…はずかし』
「先に言って照れないでw」
『え、ごめんw』
「…ねぇ」
『ん〜?』
「キス、していい?」
『ん!?』
「唇にしちゃったら我慢出来なくなりそうだけど…あ、もちろんダメならいいんだよ。付き合い始めたばっかで、焦って関係壊れるとか嫌だし」
好きだからしたいけど、大事にしたい気持ちと嫌われたくない気持ちの方が強くて
『…』
「やっぱ、っ!?」
やっぱごめんって言おうとしたのに、イキナリ頬にキスされて言葉を飲み込んだ
『…ダメなわけ、ないでしょ』
「あー…可愛い。可愛すぎて我慢出来なくなっちゃうじゃん。Aちゃんからするのは刺激強いw」
『じゃぁ…もう、しない?』
「する」
唇に一瞬だけ。触れるだけのバードキス
『んっ…』
「すき」
『うん…あたしも、好き』
「あー幸せ」
『ふふふっ…あたしも。うん…やっぱり、おち…つく』
だんだんと彼女の話すトーンとテンポが下がる
「眠そうだね…」
『ん…、ねおち、そ』
「いいよ」
瞼そっとキスするとすぐに寝息が聞こえた
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作者名:福招猫 | 作成日時:2021年6月8日 7時