先輩と ページ16
梅さんと宏ちゃんがAちゃんをホテルに送るのに一緒に着いてきてくれる事になった。理由はいざと言う時人数が多い方がいいのと、犯人は十中八九そのスタッフで…となると付き合ってるのか散々聞いていた俺も一緒に狙われるかも知れないからって
Aちゃんと並んで歩く宏ちゃんを見ながら梅さんと後ろを歩く。宏ちゃんのおかげでAちゃん少し笑うことが増えた
「ねぇ、うえちゃん。この前ねケーキの美味しいお店見つけたんだ〜しかもパイナップルのケーキが滅茶苦茶美味しかったの!」
『いいなぁ…』
「今度絶対行こうね。パイセンに奢ってもらおw」
『…また宏ちゃんのお財布にされてるの?えぐえぐパイセン』
「僕だけじゃなーいww梅ちゃんも一昨日一緒にご飯奢ってもらった」
「美味かった」
「この前梅さん江口さん見つけて「あ、財布先輩」って言ってて笑ったwww」
『うーちゃん酷い』
「うーちゃんいうなwww」
「あ、噂をすれば」
「財布先輩だ」
宏ちゃんが数歩走って江口さんの腕を掴むと、ビクッっとした反応の後こっちを見て少し驚いた表情を見せたあとすぐに笑顔になった
「うーの、久しぶり」
『イベント以来ですね』
「財布先輩、飯の時間ッスね」
「ねぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇ」
「wwwww」
『久しぶりに聞いたww』
ふふって声出して笑ったAちゃんの笑顔が久しぶりで、一瞬泣きそうになった
「…いいよ、奢ってあげる。ランチ行こ。うーの食べたいの行こう」
『いいんですか?』
「うーの俺とランチ嫌なの?」
『嫌じゃないです』
「パイセン僕らのこと忘れないで下さいねww」
「忘れてねーよwwwうーの何食べたい?」
『んー…ナンカレー?』
「任せろっ!」
その後連れて行ってもらったカレー屋さんは絶品で。Aちゃんが超激辛ナンカレーを美味しそうに食べて、それ見た江口さんが1口貰って悶絶して梅さんと宏ちゃんと大爆笑して。久しぶりにAちゃんが楽しそうだった
『えぐえぐパイセン、ご馳走様でした』
「パイセン、ゴチでーす」
「ご馳走様でーす」
「はいはーい」
歩き出す3人の後ろを江口さんと並んで歩く
「すみません、江口さん俺まで奢ってもらって」
「いーの。だって野上君は、うーのを護ったヒーローだからね」
「俺は…ただ逃げただけです」
「だけじゃないよ?野上君がうーのと逃げてくれたから…2人とも無事だったんだよ」
だからヒーローなんだよ、って笑ってくれた
俺は昔憧れたヒーローみたいにAちゃん護れたって思っていいのかな…
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作者名:福招猫 | 作成日時:2021年6月8日 7時