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異変 ページ12

玄関フロアのポストから郵便物を回収してからエレベーターで3階まで上がり彼女の持つ手紙に違和感を覚えた
「それ…差出人も宛名もなくない?」
『ホントだ…DMかな』
Aちゃんが封筒を開いて中身を出そうとした瞬間それが手から落ち、紅く染まった
『いっ…』
「Aちゃん!?」
彼女の手から血がダラダラと流れていた
『紙で切るなんてツイてない』
淡々とカバンからハンカチを出した彼女を横目に封筒を拾う。紙じゃない…封筒にカミソリの刃が仕掛けられていて、中には隠し撮りの写真が沢山入っていた
『早く手洗って消毒しなきゃ…』
封がされていなかったらしい、封筒のフラップ部分には“僕と血の誓いを交わそう”と書かれていた

血の誓い?


彼女に目を向けると真っ直ぐ自宅のドアに向かっていて、ナイトがドアに向かっていて何故か唸っていた




アレ…なんでドア、空いてるの?



「Aちゃんダメ!」


慌てて彼女の手を引きナイトのリードを持って来た道を戻るように走る
『ちょっ!?なに!?』
後ろで意義を唱える彼女を振り返ると後ろから見える男の影。閉まる直前エレベーターに潜り込むと男が来る前にドアが閉まりすぐに玄関フロアのボタンを押す
「はぁ…はぁ…」
『のがエル?』
「あと、で…説明、するから…いまは、ナイト、離さ、いで…俺にっ…着いて…来て」
息も絶え絶えに伝え、右手でスマホを操作する
拓ちゃんは今日遅いって言った。誰なら、誰ならいい!?

ポコンっと8PのLINE動いたのが目に入りすぐに電話を発信ボタンを押すと、エレベーターのドアが開き左手でしっかり彼女の手を掴み走り出した








〈もしもし?野上君?〉
「専務!いま、どこっ!」
〈まちゅやんと〇〇スタジオ出たとこやけど、どないしたん?〉
「追われて…Aちゃん、怪我っ」
この辺は住宅街で生憎逃げ込める様な場所はないけど、幸い聞こえたスタジオ近いからそこまで走れば…
後ろから聞こえてくる俺達以外の足音に舌打ちしたくなる
〈野上君、今どこや!?〉
「Aちゃんん家、近くっ」
〈分かった。そこからここまでは15分くらい、ルートは1本。こっちからも向かうから気を付けるんやで!?このまま電話繋いどいてええから!!〉
専務の言葉に甘えスマホを繋いだままスピーカーにする。一瞬チラッと後ろを見ればまだ着いてくる人影。ふざけんな…何処まで着いてくるんだよ…。酸素が足りなくなる頭で悪態をつく
しばらく走ってスマホと前から聞こえた足音と声に少しだけ安堵した

涙→←聞けるわない



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作者名:福招猫 | 作成日時:2021年6月8日 7時

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