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仕事の日 ページ43

野田ちゃんに送ってもらったビルに着くと慣れない松葉杖を使いゆっくり中に入る。なんか松葉杖で歩くより片足で跳んでる方が早いな…松葉杖を両手で持って少し前に付いてひょこひょこひょこと跳んで移動してと繰り返す。ん、この方が早いし楽だ。…っていうかこのビルってエレベーターどこだっけ?こっちで合ってんの?
「うえちゃん?」
呼ばれた声に振り向くと、なんだか久しいこーちゃんとえぐえぐパイセンの姿
『あれ、こーちゃんとパイセン。お疲れ様です』
「お疲れ様…って、違う違う!!足どうしたの!?」
『ちょっと捻挫しちゃって…』
「捻挫!?」
「大丈夫なの?」
『3度の捻挫で全治1〜2ヶ月って言われた』
ひょこひょこと飛び跳ねるように移動してるとパイセンにくすくすと笑われた
「どういう松葉杖使い方してんのw」
『この方が早くて楽なんですよ』
「もーwwちょっと宏太朗うーの捕まえて。うーの荷物持つから貸して」
『すみません、ありがとうございます』
「はい、うえちゃん掴まって。っていうか…うえちゃんなんでエレベーターと逆方向向かってたの。アフレコ一緒でしょ」
『あれ?こっちじゃなかったっけ?』
「なんで館内図とか園内図読めないのこの子ww」
パイセンがリュックを持ってくれて、こーちゃんに手を借りながら逆方向にあるらしいエレベーターに案内されて進む
『あ、こーちゃんに頼み事あるんだけど』
「うえちゃんが頼み事なんて珍しい。なに?」
『結婚式のネイルをこーちゃんにお願いしたいの』
「え、本当に僕でいいの?」
『うん。こーちゃんにお願いしたい』
「嬉しいけど、野上さん知ってんの?」
『もちろん、ちゃんと言ったよ。あたしにとってこーちゃんはネイルの師匠だからこーちゃんにしてもらいたいな、って思って』
元々は翔君に当日のネイルどうするのか聞かれ全然考えてなかったあたしはキョトン顔を晒してしまった。ネイルは自分でも出来るけど得意じゃなくて。色々やって結局諦めて全部落として何もなしになる気がするし悩んだけど…やっぱりこーちゃんにお願いしたい
『引き受けて貰えますか?』
「…分かった。飛び切り可愛いネイルにしてあげる」
『やった!』
「なんか懐かしいな〜…うーの人生初のネイル宏太朗にやってもらってたよね」
まだ翔君と出会うより前。拓ちゃんととっきーとパイセンとこーちゃんと宗悟と宅飲みしてる時にこーちゃんに初めてネイルをしてもらった
『あたしの折角の門出を彩って下さい、師匠!』
「引き受けた!」

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作者名:福招猫 | 作成日時:2022年4月29日 8時

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