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左足 ページ38

ズキズキとした痛みで目を覚ますと、左足首に感じる熱感。昨日寝る前、翔君が湿布を張り替えて包帯でしっかり固定してくれた足はやっぱり完全にグネっていたらしい
そっと翔君を起こさないように起き上がり足元から床に足を付けて立ち上がった瞬間ズキンっと痛みが強くなり思わずしゃがみ込んだ
『ったぁ〜…』
あー…寝起きのボヤけた頭がしっかり目覚めたわ…
四つん這いでなんとか移動して加湿器の水を足してから寝室を出てソファーに掴まり左足に体重を掛けないようやっとの思いで立ち上がると、片足で跳ぶように移動してトイレと歯磨きと洗顔を済ませる
壁に掴まりながらひょこひょこと片足で移動してキッチンで3匹の朝ごはんを用意して、ダイニングテーブルに置いてそのままテーブルに掴まってゆっくりしゃがみ込むと四つん這いでケージまで移動してトイレシートを片付ける。ケージの主達はあたしが四つん這いで移動してるのを不思議そうに見ていた
『…犬になった気分』
「何言ってんの」
『うわっ…びっくりした』
「痛いの無理してやらないって約束したでしょ」
『あ…そうだ…』
「ほら、あとやるから」
『ありがと…』
「んで?」
途中だったトイレシートを片付けて、食事台にフードボウルを置いて翔君がクルっと振り向いた
『ん?』
「犬になった気分って何?」
『あぁ、四つん這いになったらちょうどナイト達と目が合ったから』
「そういう事ね…ほら椅子に座って。動ける?」
『うん』
さっきと同じようにテーブルに掴まってゆっくり片足で立ち上がりそっと椅子に座る
「結構痛い?」
『足付いて立ったら痛かった』
「2度から3度の捻挫かな〜…」
しゃがみ込んだ翔君が包帯を外すと湿布で隠れてても分かるほどに変色した左足
『色エグ…』
「病院行こうね」
『去年からあたしは何回病院にお世話になるんだ…』
「子供出来たらもっとだよ」
『そっか。じゃぁ今のうちに病院好きじゃないの克服しとこ』
「ポジティブ〜wAちゃん朝ごはんスムージーでしょ?歯磨きとかしてくるから待ってて」
『ありがと』
スルッと一瞬頭を撫でられて廊下を進んでいく背中を見送ると、スマホで【2度捻挫】っとググる。えっと…2度捻挫は歩くと痛くて3〜6週間で回復、3度は歩行困難で最低でも1〜2ヶ月かかる
『…いちにかげつ、まじかー』
スマホを放りだしテーブルにぐでぇ〜っと伏せる。そんなに掛かるのか…自分の不注意さに溜息しか出て来ない。仕事と結婚式に影響出なきゃいいけど…

包帯と松葉杖→←遠くない将来の話



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作者名:福招猫 | 作成日時:2022年4月29日 8時

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