第253話：黒雷の内 ページ4
＿鬼の血を飲むのは、体中の細胞が絶叫して泣き出すような恐怖だった。
でも、ああしないと俺は助からないと思ったから。
突然現れた怪我だらけの女も、すぐに死ぬと思ったから。
…けど、
『へいへい一旦落ち着こうぜ！ね、人間襲っちゃダメダヨー。(カタコト)私首斬らなきゃいけなくなっちゃうから！ね！？私君の首斬りたくないよ！だぁーいじょぶだって私が何とかしちゃるけん、ね！？』(一息)
気付いたらあの鬼は居なくなっていて、傍にあの女がいた。そして案の定俺は鬼になっていて。
こいつに首を斬られる前に女を殺しておこう。
…そう思ったのに。
『あ、あーするしかなかったんだもん仕方ないよね〜』
こいつは俺に攻撃されても、押し倒されても尚、ずっと言葉を掛け続けてきた。
俺を殺そうとする訳でも、命乞いをする訳でもなく。
…ましてや俺を責める事もせず。
自分の命が危ないこの状況で人の心配とか、頭可笑しいんじゃないのか。
俺は、…俺は生きる為に寺の子供を鬼に差し出したというのに。こいつは…。
…こいつは、信じて大丈夫なのか。
羽織を頭から被せられ、抱き上げられた瞬間にそんな事を思ってしまった。
己の身が可愛いが為に、馬鹿な道を選んだ俺を見放さなかったこの女に＿。
『あれ、ここさっきも通った気がする…』
「…」
『こっ…ちか？あれ？？またさっきの場所に戻ってきちゃった』
…本当にこいつを信じて大丈夫なのだろうか。(不安)
＿＿
＿
『あ゛ー町だ！見てなんか町に出たよ！』
「う゛ー…」
洞窟の場所からさまよって数時間、気付いたら小さな町に足を踏み入れていた。
通りに並ぶ甘味処や小物屋にちらほらと人が賑わっている。
いつの間にか雨も上がっていて、空では雲の隙間から太陽が顔を覗かせていた。
…これは土下座ボーイに当たらないようにしないと、と思い、日陰に避難しようとした…その時だった。
「おい、そこの女」
『…ア？私？』
「そうだお前だ」
突然、七三分けの少年(？)に道を塞がれた。
ジロリと鋭い視線を向けられ、思わず肩を竦めてしまう。
…ナンパか？とも思ったが、どうやらそういう雰囲気ではないらしい。
何だろ…何で私呼び止められた？？
『…あの』
「お前、鬼狩りだろう。なのに何故鬼を抱えている」
『えｯ！？いやｯ、そのｯ、これはｯ…！というか何で鬼って…』
「…珠世様の役に立つかもしれない。着いてこい女」
『いやたまよ様誰…』
というかお前も誰だよ七三ボーイ…。
第254話：怪しい奴やん→←第252話：大丈夫...なのか？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1882人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ショートケーキ - そうなんですね！私炭治郎推しなんですけど映画見て煉獄さんが大好きになりこの二人のどちらかが選ばれたらいいな〜なんて(笑)ゴホンｯこれからも更新楽しみにしてます！！！ (2020年11月9日 20時) (
レス) id: cac4502af4 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - カシューナッツ炒めさん» そうなんですあのあのあのあへなんですあのあのあの！！！あとあとありがとうございますあのあのあのあの私も好きですあの (2020年11月9日 18時) (レス) id: a7b2172907 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - ショートケーキさん» 初めましてショートケーキさん！！コメントありがとうございます！！いつも更新楽しみにしていただけてるとは嬉しい限りでございます(泣)これからも頑張ります！！そしてオチに関しては私のせいで煉獄さんに寄ってますがとりあえずは考えてません！行き当たりばったり！ (2020年11月9日 18時) (レス) id: a7b2172907 (このIDを非表示/違反報告)
カシューナッツ炒め - あのあのわかりますよあのあれですよね、信頼の上というか愛あるというかあのですよねあのあとすきですあのあのあの (2020年11月7日 22時) (レス) id: 629da356f3 (このIDを非表示/違反報告)
ショートケーキ - 初めまして!!いつも更新楽しみにしています！私はこのお話が大好きで更新まだかなといつもそわそわしています!これからも頑張ってください!ちなみに、、、だれオチとかあるんですか!? (2020年11月7日 2時) (レス) id: cac4502af4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あまいろ
| 作成日時：2020年2月4日 23時
