第64話：絡み付く赤い紐 ページ14
落ち着け、落ち着け。
ドクンドクンｯと嫌に高鳴る心臓を抑える為に、一つ深呼吸をする。
大丈夫だ、思い出せ。最終選別の時の感覚を。
「どうした？...ウケケ、恐怖で震えてるぞ」
『バッカ武者震いだよ』
強がってはみるものの、やはり怖いものは怖い。
刀を握る手の震えは止まらないし、冷や汗だって流れる。いくら深呼吸したって鼓動も弱まらない。
でも、斯くなる上は....戦うしかないのだ。
覚悟を決めろ、夏目A！！！
まとわりつく紐を一纏めにして斬り、思いっ切り地面を踏み込む。
一気に間合いを詰めて、糸を出される前に鬼の首目掛けて刀を振り翳した
刹那＿＿、
『ｯづあ.......！』
身体に無数の紐が絡み付き、足が地面から離れた。
グルｯと紐が首に回り、そのまま締め付けられる。
息がｯ......できないッ！死ぬｯ！！！
『ｯくそ....！』
「紐は別に1本じゃない。油断したなァ....！」
ギリギリと身体を締め付けてくる紐に、骨が悲鳴を上げる。
いや痛い....とりあえず痛い！ミシミシいってる！！！
味わった事の無い激痛に、最早声すらも出ない。
このままでは内側から色々出そうだ！何かとは言わないけど色んなモノをぶちまけそう！！！(嫌だ)
モザイクが必要な案件になってしまう前に、早く何とかしないと.....ｯ！
しかし焦る気持ちとは裏腹に、酸欠状態の私の意識はだんだん遠くなっていくばかりで。頭もボーｯとしてきた。
このままじゃ、ホントに.....ｯ！
「ウケケ...あの男よりもずっと美味そうだ....ｯ！」
『！』
その一言で、霞んでいた脳内が一気に覚醒する。
落ちかけていた意識も戻ってきた。
...コイツだ。コイツだコイツだ！！
私に助けを求めた、あの青年を喰ったのは！！！
確証はない、けれど直感的にそう思ったのだ。
この鬼が、あの青年を襲ったのだと。炭治郎の腕の中で息絶えてしまった、あの青年を...！
ｼｨｨｨ＿
「あ...？何だこの音」
『...彼岸の呼吸。弐ノ型 三途ノ川』
ザンｯ、と絡み付いていた紐を一気に叩き斬る。
地面に着地し、そのままの勢いで再び地面を踏み込んだ。鬼との間合いを一気に詰め、そして、
「ｯ…！コイツ...！(さっきより速い....ｯ！)」
『全集中・彼岸の呼吸＿壱ノ型 夜叉彼岸』
今度こそ、鬼が紐を繰り出す前に。
その首に刀を滑らせた。
刀を鞘にしまった途端に、ゴトンッと重苦しい音が辺りに響く。
勝ったのだ、....異能の鬼に。
今更ながら、膝が震えだした。
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あまいろ(プロフ) - カナさん» 読んでくださってありがとうございます！！絵上手いですか！？もーーこれ以上喜ばせんといてー！！！(大歓喜)これからもこの小説をよろしくお願い致しますね！！！コメントありがとうございましたｯ！！！！ (2021年1月4日 0時) (
レス) id: a7b2172907 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 絵も上手いし、ギャグ線も高いとかもう神超えてます！更新楽しみにしてます(^-^) (2021年1月3日 9時) (レス) id: a98d39be7b (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - にゃふさん» そういってもらえると！！！どちゃくそに喜んじゃいますよ私！！！！読んでくださってありがとうございます！！！これからもこの小説をよろしくお願い致します！！！ (2020年12月30日 21時) (レス) id: a7b2172907 (このIDを非表示/違反報告)
にゃふ - 絵がうまいです!! (2020年12月11日 17時) (レス) id: 2c9f18fc80 (このIDを非表示/違反報告)
あまいろ(プロフ) - 木製さん» 伊之助のほわｯてやつ可愛いですよね！？どちゃくそに可愛い！！！夏目ちゃん思った以上に読者の皆さんに人気で嬉しいです・・・私のタイプを全部注ぎ込んだら夏目ちゃんが出来ました！！！5年掛かりました！！！ガチで！！！ (2020年11月9日 18時) (レス) id: a7b2172907 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまいろ
| 作成日時：2019年8月9日 1時
