【wrwrd】チューリップ【zm】 (ページ13)

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tn「え、ほんまに出るん？」

zm「被りがなければ……」

被せてくる人がいるわけない。
クラス…いや、学年カースト上位にいるゾム(無自覚)があれだけ盛り上がる呼び出し競走に出るというのに、そこを押しのけて出る人なんていないだろう。
なんなら密かに思いを寄せていたりするであろう子達が反乱を起こすに違いない。
希望した時点で出るのは確定というわけだ。

ut「出んのちゃうかなぁ……」

大先生も同じことを考えているらしい。
そりゃ見れることならゾムが好きな人を呼び出してるところ見たいっていう人が多いんだろうな……

zm「あ、まじ？なら書いてこよ〜」

ゾム、呼び出し競走出場決定。

zm「あとは決定待つだけやな」

本人は気づいていないんだろうけど、ゾムが呼び出し競走の欄に名前を書いた時クラスから抑えきれぬ声が至る所から聞こえていた。
これは明日には全クラスに情報回っているんだろうな…

zm「お前らは何出るの」

『私二人三脚にしようかな』

全速力で走る訳でもないし、注目を浴びる訳でもない種目。二人三脚の枠も多く余っているし喧嘩せずに決まりそうで楽だったからだ。

ut「俺も二人三脚にしようと思っててんけど」

『え、なら変えようかな』

ut「なんでやぁ…！！どうせなら一緒に走って絆の強さ見せつけようや…」

『そこまでしなくても……』

まぁでも大先生と出るのは楽しそう。
一部の目が気になるかなぁ…と思いつつ、それは1年生の頃からずっと向けられてきたもので今では痛くも痒くもない。

『なら一緒に出よっか』

ut「最強ペア爆誕やで」

tn「これで本番コケたらおもろいな」

二人三脚の枠が埋まる前に「緋野鬱島」と横並びで黒板に書く。
残り出る種目が決まってないのはトントンだけだ。

tn「なぁに出ようかな…」

『リレーは？トントン足速いし』

tn「リレーかぁ…ありやな、書いてくるわ」

トントンの種目もすんなりと決まった。
毎年誰かしらがリレーには出ていて、応援するのが楽しい。
特に今年は最後の年でやる気も違うだろうから、例年以上に盛り上がって見ていて楽しいものになるだろうな。

日中は暑くて日焼けもする体育祭だけど、今年はある意味楽しみだ。良い意味でも、悪い意味でも。