ふかさく妄想 ３

鈍感野郎に制裁を (深澤) ページ17

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『え、A好きなやついるの？』


その言葉を聞いて、私たちはため息をついた。

隣のさっくんは「まじで言ってんの？」と

呆れている。

それでも ん？何が？ときょとん顔のふっか。

さっくんは私の顔を見て "大変だな…" と

哀れみのアイコンタクトを送ってくる。

そうなんです。大変なんです。

ふっかに恋心を抱いてもうすぐ2年。

部活のない日は、一緒に帰ろうと誘ったり

誕生日には人一倍張り切ったり、

バレンタインデーには

さっくんと違うチョコを用意したり

いろいろ気持ちに気づいてもらおうと

試してきた。もちろん、さっくんも

私の気持ちを知っているほど。

それなのに、この鈍感野郎は

私の気持ちすら気づかず、恋バナで

さっくんが好きな人に

本命チョコあげてたじゃんと

暴露してしまっても自分とは思わず、先ほどの

私たちを呆れさす質問をしてきたのだった。

終いには「だれだれ？」と茶化す始末。

完全にこれは脈なしと思うしかない…

それでも気持ちを伝える前に撃沈するのは

気にくわなくて、どうにでもなれと思い

茶化してくるふっかに

「ふっかのことだよ。気づけ、ばか……。」

と伝えれば、えっ？ん？？と

分かりやすく動揺するふっか。



動揺でも良い。私のことを考えてくれるなら。

動揺でも良い。私の言葉で少しでも

意識してくれるなら。

脈なしでも、友だちだと思ってたのに…と

悩み、苦しめ！←



この鈍感野郎に制裁を！！

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