小さいすのーまん２ (ページ16)

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休演日 (岩本) ページ16

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岩本side

休演日の今日はメンバーそれぞれ

好きなことをして過ごす。

昔は公園に集まって

みんなで鬼ごっことかしてたこともあった。

佐久間はアニメの物販、阿部は大学

ふっかと翔太はそれぞれ先輩と

舘さまはカフェ巡りへと出掛けていった。

俺は舞台がある、ないに限らず

朝のルーティーンがあるから家にいた。

ルーティーンが終わり、リビングに行けば

テレビを観てるうちに寝てしまったのだろう

ソファーで眠るAさんがいた。

そばに置いてあったタオルケットを掛けながら

すやすや眠る寝顔に癒される。

しかも俺だけ…という状況に

心のなかで喜んでいる自分に気付いて

独占欲があったんだなと思ったり。

勝手にごめんなさい…。と静かに手を合わせ

Aさんの寝顔を内緒でカメラに収める。

シャッター音で起きてしまわないか

ハラハラしたけどぐっすり眠っていた為

気づかれずには済んだ。

お昼も近づき、お腹も空く。

起きたらAさんも食べるだろうから

上手く作れるものを…と考えていると

前に舘さまから教えてもらった

フレンチトーストを思い出した。

我ながら上出来と思いながら

リビングのテーブルへと運ぼうとすれば

目が覚めたAさん。

「あ、起きた？Aさんも食べます？」

『食べたい！』

寝起きなのに即答するAさんに

思わず笑ってしまう。

テーブルに並べられた２つのお皿。

普段のうるさいくらいの賑やかさはなく

落ち着いた空気に少し気まずさを感じながらも

美味しい。美味しい。と

褒めてくれるから嬉しかった。

けれど嬉しさもつかの間

舘さまから作り方を

教えてもらったことを話すと

舘さまをも褒めるAさんに

また俺のなかで独占欲が顔を出す。

その独占欲を隠さず、拗ねて

"うん。" とだけ相づちをうつのも

子どもだなと思いながらも

気持ちに気づいてほしかった。

「Aさんが
舘さまの事を話してると何かやだ。」

素直に伝えてみたけど上手く伝わらなくて

俺の恋心は宙ぶらりんに舞っていた。