春の躍りは ページ1
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渡辺side
今日は涼太からAが観に来てると聞き
みんないつもより張り切っていた。
ふっかも隣で
そんな高い声いつ出すんだよ。ってくらい
幅広く念入りに声だしをしてる。
春の躍りは ＼よーいやさー！！／
舞台も始まり、最高にテンションが上がる所。
よっしゃいくぞ！ってなってたときに
社長が"そういえば、後で話があったんだよー"
なんてのんきなこと言ってくる。
じゃあ、幕間で！と伝え、舞台へと立った。
内心、話ってなんだ…？が強かったけど
中盤からは振り払い、何とか終えた一幕。
二幕の準備を終え、社長を探すけど見当たらない。
終いには二幕開演５分前のブザーが鳴っている。
仕方ない。自分の準備しなきゃと
下手へ向かえば、何してたの。
待ってたんだよー！？と軽く怒られる始末。
ちっ。今日、ついてねーな。
心の中でそう思いながら話を聞く。
一通り怒られた後、耳を疑うことを聞く。
"寮の部屋空いたから、
今日から住めるよ！良かったね！"
いや、良かねーよ。
マネージャーから遠出するかもだから
荷物全部持ってこいって言われて来たら
これかよ。さっき、佐久間はハワイかな？とか
喜んでたのに、可愛そうな奴。
ただ帰るだけかー。
そう思ったときにふとAの顔が浮かんだ。
社長にはめられた。気づいたときにはもう遅くて
幕が上がる２分前。
近くにいた音響スタッフさんに
紙とペンを借りて、薄暗い中ペンを走らせる。
字が汚いなんて元々。
けど、今は更にだから読めますように！
そう願って劇場係りの人にメモを託した。
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作者名：もこ | 作成日時：2016年4月7日 19時
