fondness child【紫】 (ページ9)

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「おっ、合格したでやんすね～～！」

鮮やかな金髪の似合う小柄な男性。

太陽みたいにキラキラした笑顔が眩しい。

「俺は佐久間大介でやんす！こんな感じだけど一応ここの社員さんやってます！よろしくピーマンであります！！」

うん、イケメンだけどなんてツッコミどころしかないんだろうかこの人は。

いやいやいやいや、社員さんで金髪ってありなの？

てかピーマンってなに？え？ツッコミ待ちなのかな？突っ込んだらダメ？？？

『…そんなにピーマン好きなんですか？』

おい。

迷った末に発した自分の言葉に頭を抱えたくなる。

いやなんでそんなにピーマン好きなんですか？とか聞いてんのおかしいでしょ馬鹿なの？

佐久間さんは一瞬キョトンとしたがすぐにゲラゲラと笑い始め途端にほかの3人にも笑いは広がっていく。

ああ、今すぐにやり直したいピーマンとかそしたら絶対言わないのに。

はぁ、マジで笑ったと涙が溜まった目尻を軽く押さえているのは塩顔のイケメン。

あ、顔がめちゃくちゃ好みな求人サイトの写真のバーテンダーのお兄さんだ。

「笑ってごめん佐久間にこんな返しすると思ってなくて。社員の渡辺翔太です。」

女の子入ってきてくれて嬉しい、と笑う塩顔のイケメンほんとに顔面すきなんだけどどうしよう。

あ、でもチャラそうとか思っているとまた自己紹介していない案内してくれたお兄さんからでも翔太チャラいから気をつけてね～と横槍が入る。

は！チャラくねーし！チャラいのはふっかでしょ！

と噛み付く姿はすこし幼児帰りしていて可愛らしい。

遊んでないでふっかも自己紹介しなよ、と阿部さんに促されるままに最後の一人が自己紹介をはじめる。

「フリーターで基本バーテンダーしてる深澤辰哉です。だいたい毎日いるからなんでも聞いてね。」

なんて先程の死んだような目からは想像もつかないほど柔らかく笑う。

みんなふっかとかふっかさんって呼ぶから好きなように呼びなね、と微笑みながらさりげなく頭をポンポンするふっかさんにドキリときめく。

わ、年上ってこうも余裕なもんなの？と考えているとほらふっかすぐ手ェだす～！と翔太さんはふっかさんに絡み出す。

『私は短大1年の中村Aです。』

なんだか楽しい夏休みになりそうな予感がした。