小悪魔ちゃんと赤髪くん。 (ページ30)

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『…』

寝れない

スマホを見る。

そこには“pm2:51”の文字。

あれから女子部屋に帰って、みんなと盛り上がって、

寝たのは12時過ぎだから3時間くらいか。

『はあ、』

ジュースでも買おう、とこっそり布団から抜け出した。

……

『なんでいるの』

一人で感傷に浸ろうと思っていたのに。

この場にそぐわない赤髪が、また私をいらつかせた。

「あ、ゆかりちゃんじゃん。夜這い？」

『その名前やめて』

自販機の前のソファにあいつがいた。

人が来た時だけ自動でつく薄暗い灯りと、自販機のネオンだけが彼の周りを照らしていた。

彼の表情は読めないけど、声色からいつもの煽り顔をしているのは確かだ。

ジュースだけ買って部屋に戻れば良い。

そう思って無言で小銭を入れる。

静かな空間に、小銭の落ちる音がやけに大きく聞こえた。

どれにしよう

ピッ

『っあ、！』

迷っているすきに背後から勝手にボタンを押された。