デビューを迎えるその日まで 4 (ページ32)

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がっかりページ32

渡辺side

ﾋﾟﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘﾘ

ﾋﾟｯ

『っはぁ、』

布団から顔を出して背伸びをする
大袈裟についた寝癖を簡単に手で治して机の上のピアスに手をかけた

“2連ピアスがいいよ”

嬉しそうに話すアイツの顔を思い浮かべながら左耳に2つピアスをつけた

『お前にあげたんだって』

お揃いで買ったものを全て置いていったのはなんで？
そんなことを考えながらリビングに向かえば皆はもう起きていた

宮｢あ、起きたんだね｣

『まぁ、うん』

机の上に並べられたご飯、朝は決まって和食
まぁ、俺はサラダなんだけど。そんなことマネージャーさんに言えないから有難くいただいた

テレビの音がやけに大きく感じる
きっと誰も話さないから、生放送のコメントがAだったのかそんなことすら分からない
でも、もしそうなら嬉しいなって思った

深｢よし、そろそろ行こうかな｣

ふっかの声にみんなが立ち上がり車に乗り込む
車の中でも皆携帯をいじったり、音楽を聞いたり、目をつぶったり、会話がなかった

事務所に着くと滝沢くんがいつも待っていて今日の調子はどうだとか聞いてくる
それに対しての返事は決まっていた

岩｢滝沢くん、Aはどこにいるんですか？｣

滝｢はぁ｣

どうせ今回も流される、そう思って横を通り過ぎようとした時だった

滝｢ちょっと着いてこい｣

滝沢くんはいつもと違って怒っていた気がする
ズカズカと歩く後ろを俺たち9人で追いかけた

ｶﾞﾁｬｯ

深｢失礼します· · ·｣

空き部屋に9人全員で入れば滝沢くんはゆっくりと口を開いた

滝｢お前らにはがっかりだよ｣

その目は呆れた、そう言われているようだった