デビューを迎えるその日まで 4 (ページ14)

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抱えているものページ14

…

渡｢なぁ、ふっか· · ·、最近A頑張りすぎじゃね？｣

デビュー日が近づく度にAとの時間が減った
俺らも忙しいけどそれ以上にAが忙しくなった気がする

『うん、Aちょっと頑張りすぎだな～』

酔っているAに投げかければ目を真っ赤にして瞳が揺れ始めた

渡｢っえ？｣

貴｢嫌だよっ｣

泣きながら何かを否定するA

『あれっ、Aって泣き上戸なの？』

渡｢いや、甘えるはずなんだけど· · ·｣

俺と翔太は顔を見合わせていた

ｶﾞﾁｬｯ

岩｢どうしたの？｣

Aの涙をすする音に岩本さんと佐久間が部屋から出てきた

佐｢A～どうしたー？｣

佐久間に抱きついてずっと泣いているA
その背中をさすっている佐久間

『どうした？』

貴｢離れたくないよ、皆と一緒に居たいのっ｣

まるで5歳児のように泣きじゃくるA

岩｢どこにも行かないよ、俺らはずっと一緒だよ｣

岩本さんが優しく言えば泣き疲れたのか佐久間に寄りかかって眠ってしまった

『何抱えてんの· · ·』

渡｢明日になったら忘れてんだろうな、｣

それがAにとってストレスになるものだったら思い出して欲しくないからと、明日Aの記憶が無かったら泣いていたことは内緒にしておくことにした。

佐久間から離れソファーで寝るAを運び部屋に連れていく。ベッドに下ろし布団をかけようとすれば掴まれる手

貴｢辰哉· · ·くん、行かないで｣

辰哉くんなんて滅多に言わないくせに

『それ、酔ってない時に言ってよ』

離そうとしない手にAの布団に入る

貴｢酔ってないもーん｣

それが酔ってるんでしょうが、俺に抱きついて顔をスリスリするA

『A、チューしたい』

貴｢ふふっ、思春期じゃん｣

『だーめ？』

貴｢んー、1回だけね？｣

この一言で、耐えた俺の理性を一瞬で崩した
Aに近づいて触れるだけのキス

貴｢ん、辰哉くん意外に唇柔らかいね笑｣

へへへって笑うA、でも何処か物足りない顔をするからもう一度キスを落とせば満足そうな顔してそのまま深い眠りについた

『俺、まじ何してんの· · ·っ』