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「胸キュン教えてあげよっか」
と、柵に肘をついて遠くを見つめている深澤さんは、いつになく甘い空気を纏っていた。
最近、深澤さんの演技力が飛躍してることはこの私も身体中で感じていたけれど、ここまで甘々になるとどうも、私まで照れ臭くなってしまって。
コケたのを支えてもらった拍子に繋がれた手がまだそのままな事ですら、少しだけ胸を痛めつけている。この痛みの理由を、私は知らない。
「告白なら俺でもできるし」
「…告白？」
「ん」
夜景の見えるところで、こうやって告白されるのって、確かに胸キュンかも…と余裕こいていた私を責めたい。
今までずっと夜景に向けていた視線を、私に向けて、
その切長な瞳にゆっくりと見つめられて。
深澤さんのスラリとしていて男らしい手が私の手を優しく包んだ。
「夢に一生懸命なところも、すげぇあったかくて優しいところも、可愛い笑顔も、
…全部好きだよ。Aちゃん。」
今にも消えそうなくらい、優しくて暖かい声で深澤さんはそう言った。
「…え」
「好き」
おまけに、そう念を押すように言われ、少し身を寄せてちゅっと優しく口付けられる。
深澤さんに触れられたところが、今まで何回もしたはずのキスが、唇が、熱い。
オマケに、 さっきまで少しだけ痛いなんて思っていた胸が、猛烈に痛い。苦しい。
思わず服の上から胸をぎゅぅっと握り締める。
「…痛い」
「痛い？」
「…痛いです」
さっきまでの甘い空気が嘘みたいに、「え、どこが？」と大慌てしながら深澤さんが私を覗き込んだ。
「心臓」
「…心臓、痛いの？」
「すごく」
「…それは物理的に？」
「はい。
これはきっとキュンではありません。グサッてレベルのやつです」
素直に感想を言ったつもりが、深澤さんはキョトンと私を見つめた後、段々と頬を緩め、終いには「…たははははは！」と全力で笑い出した。
「うん、やっぱAちゃん面白い」
「…え、それは馬鹿にして」
「本気だよ俺は」
「酷い」
私が言うと、深澤さんはフワッと笑った。
「いや聞いて。本気でAちゃんのこと面白いと思ってるし、…てか、好きなのマジで。演技でもなんでもない。
俺今恋してるよ。Aちゃんに。
Aちゃんのことが好きすぎて、俺も心臓痛い。」
深澤さんに見つめられ、頬に手を添えられて
「…気づいたら、本気で好きになってた」
と、その笑顔で言われてしまえば、胸は致死レベルの痛みに変わった。
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minmin(プロフ) - mizuiroさん» ギュンギュンを届けられて嬉しいです！夜は眠れているようで安心しました笑 (2022年5月24日 19時) (
レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュン...いえ、ギュンギュンします！！続きが楽しみで夜しか眠れないです！！ (2022年5月24日 10時) (レス) @page41 id: c168ba2284 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - rinaboyaさん» ありがとうございます！面白いと言われるのが一番嬉しいです😊頑張ります！ (2022年5月20日 22時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
rinaboya(プロフ) - ほんとにこの小説が面白すぎます...これからも頑張ってください！ (2022年5月19日 23時) (レス) @page34 id: a9150a3a31 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 深澤りんさん» ありがとうございます！(^^) (2022年5月12日 20時) (レス) @page28 id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minmin
| 作成日時：2022年4月18日 21時
