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「脚本家…」
「そう。テレビ局の廊下に張り紙があってさ」
深澤さんはスマホで写真を表示して「これなんだけど」と私に見せてくれる。
真っ赤なポスターに黄色い字で【脚本家コンクール開催します】の表記。今人気の小説家から素人まで、様々な人が応募できるとのこと。
脚本家か…。
本が好きで、小説家に囚われていたけど、物語を創作する上で「脚本家」は一番近いものを感じるな。
「俺ね、本とかあんま読まないんだけど、Aちゃんの本すげぇ読みやすくて」
「…」
「お世辞じゃないよ？」
「…ありがとうございます」
「ん。知識が無いから、細かくどこがいいとかは言ってあげられないんだけど、漠然と読んでてめちゃくちゃ楽しくて。なんかね、“あーわかる！”ってなるの。親近感？かな。Aちゃんのこといつもより近くに感じたよ。
…そんでねそんでね、こんな読みやすい本とかなら、きっと実写化とかしたら、バカな俺でも楽しめるんだろうなぁとか考えちゃってさ」
深澤さんは「あはは。能天気だよな。そしたらたまたまこの張り紙見つけたのよ」と自分のことを他人事のように呟いて笑った。
能天気だと深澤さんは自分のことを言うけれど、
…嬉しい。
私の心にはそんな感情しかない。
元々、深澤さんはかなりおしゃべりな人ではあるなと思っていたけれど、まさかここまで生き生きと感想を話してくれると思わなかった。
水色の文庫本は、少しだ方汚れていて、そんなところまで愛おしいと思う。よく仕事場に持ち運んでまで読んでくれていたのが、こうして伝わるなんて。
「お世辞でも嬉しいです」
「さっきの聞いてた？お世辞じゃ無いんだって」
深澤さんは「もぉ」とため息をつく。
「脚本家から小説出す人とかって結構いたりするし。そもそも、Aちゃんはもっと自信持っていい。これはチャンスだと思う。…前向きに応募すること、考えてみて？」
深澤さんはコーヒーをゴクゴクと飲み干し、そんな様子を見ながら、少しだけ涙が出そうになるのを我慢する。
「…なんで、私の仕事のことまで」
「俺も遅咲きで夢叶えたタイプだからさぁ、なんか放っておけないの。
…そもそもAちゃんだから放っておけないってのはあるけど。」
最後の一言の意味は私にはよく理解できなかったけれど、深澤さんの面倒見の良さと優しさには完敗だと思った。
不思議と、深澤さんのスマホに映るポスター画面がなんだかキラキラして見えたのは、きっと気の所為では無い。
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minmin(プロフ) - mizuiroさん» ギュンギュンを届けられて嬉しいです！夜は眠れているようで安心しました笑 (2022年5月24日 19時) (
レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュン...いえ、ギュンギュンします！！続きが楽しみで夜しか眠れないです！！ (2022年5月24日 10時) (レス) @page41 id: c168ba2284 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - rinaboyaさん» ありがとうございます！面白いと言われるのが一番嬉しいです😊頑張ります！ (2022年5月20日 22時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
rinaboya(プロフ) - ほんとにこの小説が面白すぎます...これからも頑張ってください！ (2022年5月19日 23時) (レス) @page34 id: a9150a3a31 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 深澤りんさん» ありがとうございます！(^^) (2022年5月12日 20時) (レス) @page28 id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minmin
| 作成日時：2022年4月18日 21時
