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隣に座っている深澤さんは、艶のある綺麗な黒髪をゆったりと手で整えて、またチリッとピアスが音を立てる。
ツンと伸びた鼻先と血管が浮き出た首筋が、男らしい。
また気づけば見惚れている私。
「別に、終わり来なくてもいいんじゃない」
そんな深澤さんのたった一言がこんなにも嬉しいとは思わなかった。
黙って映画を見て、ゴクゴクとビールが深澤さんの喉を通る音を聞いているだけで、不思議と心が落ち着いて。
気づいたら握られていた右手の温かさも、絡まる指も、初めて男の人と触れ合うのに、全てが嫌じゃ無い。
終わりが来るのを想像して少しだけ嫌になった。
だから、そうやって言ってくれるだけで、こんなにも嬉しくなった。
「なんか、恥ずかしいですね」
「…恥ずかしい？」
「はい。私たちの関係に終わりが来ないなんて、なんだかプロポーズされてるみたいだから。少し。」
プロポーズだなんてもしかして私、めちゃくちゃ浮かれてる？と、そう言った後に後悔するけれど、目の前の深澤さんは満更でも無い顔をしているから、なんだか更に恥ずかしくなった。
何も言葉はないのに、深澤さんから「俺は、更々別れる気は無いよ」と伝えられているような気がしたからだ。
「…深澤さんがいいのなら、私は全然それでもいいんですよ。
深澤さんに、好きな人ができたら私はコッソリ身を引くので。その時まで私たち、“恋人”でいましょうか。」
…うん、嬉しい。たまらなく嬉しい。
深澤さんは「うん。うん、そうしよ」と何度も深く頷いて、ニコニコと笑う。
私は恋に落ちることもきっと無いだろうし、深澤さん以上に私の心に寄り添えてふっと腑に落ちるような人は居ないだろうな…と思っている。だから、深澤さんがいつか本当に好きな人ができるまでは深澤さんのそばに居たいのだ。
…深澤さんに、好きな人ができる…か。
考えたら少し寂しくもなる。
深澤さんの彼女というポジションが、私では無い他の誰かに受け渡されることを想像すると、寂しくなるな。
…しかも私さっきから、終わるのが嫌終わるのが嫌って何度も考えてたな…。
もしかして
この気持ちを恋と呼ぶなら、私は今恋をしている…？
いや、まさか。そんな訳ない。
深澤さんはたった一ヶ月ほど前に出会った人で、
成り行きで彼氏ではあるけど…
まだ知らないことたくさんあるし、いくらなんでもこんなにコロっと落ちるわけない。うん、きっとそう。
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minmin(プロフ) - mizuiroさん» ギュンギュンを届けられて嬉しいです！夜は眠れているようで安心しました笑 (2022年5月24日 19時) (
レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュン...いえ、ギュンギュンします！！続きが楽しみで夜しか眠れないです！！ (2022年5月24日 10時) (レス) @page41 id: c168ba2284 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - rinaboyaさん» ありがとうございます！面白いと言われるのが一番嬉しいです😊頑張ります！ (2022年5月20日 22時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
rinaboya(プロフ) - ほんとにこの小説が面白すぎます...これからも頑張ってください！ (2022年5月19日 23時) (レス) @page34 id: a9150a3a31 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 深澤りんさん» ありがとうございます！(^^) (2022年5月12日 20時) (レス) @page28 id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minmin
| 作成日時：2022年4月18日 21時
