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深澤さんは私に足並みを揃えてくれている。しかも、私とぶつかっていない方の肩はきっとびしゃびしゃに濡れている。そんな些細な優しさに心が温かくなった。
「ありがとうございます。徒歩で来られたんですね」
「うん、そう。意外と近かったから歩いてきてみようと思って」
さっきまでの不思議な圧力が嘘みたいに、深澤さんはいつも通りの優しい笑顔に戻る。
切長の細い目をゆっくりと伏せて、「てか、結構雨降ってたわ」「あはは」と楽しそうに笑っていた。
LINEの情緒が嘘みたいに優しい顔をしている。
「俺今日ね、Aちゃんが誘ってくれたのが嬉しかったのよ」
そして、そんなことを言う。
「…心配だったから」
「ん？俺が？」
「…はい。この間から様子がおかしいと思ったから」
「あ、あぁ」
「大丈夫かなって心配になってしまって」
深澤さんは「そういうことね」と一言呟く。
下まつ毛までバッサリと長いまつ毛がゆらゆらと、湿度の高い風に煽られている。
「心配してくれたんだ」
その声が低くて優しい。
白くてすらりとしていて、そんな声と裏腹に男らしい手が私の手を強く握りしめる。
「はい」
「んー優しいね、Aちゃんはほんと」
「深澤さんの、彼女なので」
さっき“俺の彼女”と深澤さんが言ってくれたのが嬉しくて、真似するように私が言うと、深澤さんは気づいたのか「ふは」と笑った。
「うん、そうね。そうでした。ありがとね」
深澤さんはそう笑って、「失礼」とマスクをするっと顎の下に下ろして、そのままちゅっと優しく口付けた。
柔らかい感触が唇だけでなく体全身を包むようで、ふわりと温かい気持ちになる。
「こ、こんなとこで」
「まぁまぁ、こういうのってやっぱさ、したいなって思ったときにしたいでしょ」
顎にマスクを添えたまま、綺麗な横顔をふわっと柔らかくさせて。
よろよろと歩きながらも、ご機嫌そうに傘を時々くるくると回して楽しそうにしている。子どもっぽい…と思うけれど、今度は風で乱れた私の前髪を優しく直してくれる深澤さん。
女慣れというかもはや、私に対する態度はお母さんのようで。
「深澤さん、お母さんみたいですね」
と言えば、「うるさい」と怒られた。
「彼氏だっての。いい加減俺のこと男だと思え〜」
「思ってますよ。最近」
と私が言うと、深澤さんは「え！？まじ！やっと！？」とやけに嬉しそうに私を見た。至近距離で見るそんな嬉しそうな顔が、今度はやっぱり子どもみたいに見えた。
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minmin(プロフ) - mizuiroさん» ギュンギュンを届けられて嬉しいです！夜は眠れているようで安心しました笑 (2022年5月24日 19時) (
レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュン...いえ、ギュンギュンします！！続きが楽しみで夜しか眠れないです！！ (2022年5月24日 10時) (レス) @page41 id: c168ba2284 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - rinaboyaさん» ありがとうございます！面白いと言われるのが一番嬉しいです😊頑張ります！ (2022年5月20日 22時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
rinaboya(プロフ) - ほんとにこの小説が面白すぎます...これからも頑張ってください！ (2022年5月19日 23時) (レス) @page34 id: a9150a3a31 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 深澤りんさん» ありがとうございます！(^^) (2022年5月12日 20時) (レス) @page28 id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minmin
| 作成日時：2022年4月18日 21時
