22 fukazawa ページ24
恋人のはずなのに一生叶わない片思い…という、なんとも奇妙で切ない恋を始めた俺は、もう絶望的なくらいにIQが低くなった。
とりあえずとことん傷ついても良いからAちゃんのことが知りたくて、貸してもらったこの本ですら可愛く見えてくる。
SnowManでの仕事の個人撮影の時間で隙間時間があるため、なんとなくその本を開いてみた。
一行目に目を落とせば、
『私は、自分が馬鹿であると自負している。』
そんな一文が、真っ白なページに一つだけ浮いていた。
気になって、ページをめくった。
『一度やってしまったことを後悔しても仕方ないのに、いつも考えることもせず、自分の心が自分の身体を追い越してしまう。物事をやる前から“後の祭り”だときちんと分かっているのに、物事をやり始め、更には“ 転ばぬ先の杖”も用意していないのだ。だからいつも同じ過ちを繰り返す。
私は、そんな大馬鹿者である。』
本当に引き込まれるような、物語な入り口だ。
まるで、今の俺に語りかけてるみたいに、Aちゃんの言葉一つ一つが俺の身体に染み込んでいく。
いつも、俺は
「私のカラダだけ好きなの？」
「辰哉の優しいだけのところが嫌い」
「辰哉と私の気持ちにギャップがあるの」
「辰哉のことが好きだけど別れたい」
と、世間のイメージ通り勝手に好かれて振られてを繰り返して、俺の気持ちさえ分からなくなるような恋愛を何度も何度もして。自分でそれをわかっているのに、何度も同じような恋愛をしては、恋愛を嫌いになって。
“いつも同じ過ちを繰り返す。私はそんな大馬鹿者である。”と、理解しているところまでをもソックリだ。
…なんだこの本。俺のために書いてるのか。
水色の真っ新でタイトルも何もない文庫本をまじまじと眺めて、ただ驚いていれば
「あれ？深澤何読んでんのー？珍し」
撮影を終えたのか、佐久間がぴょこぴょこと走り寄ってきた。その能天気な笑顔に腹が立つ。なんでこんな時に限って厄介なのに見つかる？
「え、本？…ぶは！深澤本とか読めないっしょ！」
「いやいや読めるわ。何だと思ってんだ俺のこと。佐久間じゃないんだから」
「はぁ！？俺本読めるっての！ライトノベルとか！」
「何処ぞのライトノベルと、俺のこの大切な本を一緒にすんな！」
俺がしっしと手で追いやれば「俺の趣味馬鹿にしてんだろ！」と佐久間はプンスカしだす。
そして
「全く〜、好きな子にでも貸してもらったのかねぇ」
…うん、図星。
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minmin(プロフ) - mizuiroさん» ギュンギュンを届けられて嬉しいです！夜は眠れているようで安心しました笑 (2022年5月24日 19時) (
レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュン...いえ、ギュンギュンします！！続きが楽しみで夜しか眠れないです！！ (2022年5月24日 10時) (レス) @page41 id: c168ba2284 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - rinaboyaさん» ありがとうございます！面白いと言われるのが一番嬉しいです😊頑張ります！ (2022年5月20日 22時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
rinaboya(プロフ) - ほんとにこの小説が面白すぎます...これからも頑張ってください！ (2022年5月19日 23時) (レス) @page34 id: a9150a3a31 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 深澤りんさん» ありがとうございます！(^^) (2022年5月12日 20時) (レス) @page28 id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minmin
| 作成日時：2022年4月18日 21時
