プロローグ ページ1
“恋愛”って、凄いよな。
一瞬で人を変えるだもん。
平日、15時過ぎの山手線。
オレンジの光が差し込んだ車内で、パタっと本を閉じて大きく欠伸をする。
女子高生たちがスクールバッグを片手に「〜たち、付き合ってるんだってよ」と噂話をしているのに気を取られて、読書に集中できなくなってしまった。
最近私は“恋愛”に囚われ過ぎている気がする。
今年で30になるって言うのに、彼氏の一つもできたことがない。もっと言えば好きな人すらも出来たことがない。
インターネットで調べたら、私みたいな人のことをアセクシャルと呼ぶらしい。物騒な名前だと思った。
そんな私は、オマケにのうのうと作家を目指しているという名の下、本屋でアルバイトをするフリーターだ。
自分でも見た目も中身もそれほど悪くないと思うし、男の人に言い寄られたことだって何回かある。
なのに、恋愛に執着する気になれなかったのだ。
これを今まで生きてくる中で、なんの窮屈にも思わなかったし、なんの支障も感じたことも無かったはずなのに…。
この間、大の親友が結婚したのを機に、
恋愛に興味がふわりと湧いてきたのだ。
親友から、前々から付き合っている彼氏がいるというのは聞いていたけれど、実際に結婚式に行って目の当たりにすると、不思議と心が揺れ動いた。
私には見せない顔をして笑っていた親友が、痛いほど眩しかった。
それからと言うものも、必死に恋愛小説を読み漁った。
恋愛ドラマも見たし、映画も見た。
キュンキュンこそしないけれど、男女が作り上げる独特な雰囲気、空気感が好きだった。
そんな空気を、視覚から感じるたびに、
私も体験したい…恋…！
と、アラサーフリーター女は舞い上がってた。
電車を降りて、ピロンと音を立てたスマホを見ると親友からのLINE。
.そんなに恋愛したいなら、友だち紹介してあげよっか?
交差点のど真ん中、立ち止まって思わずそのLINEを見つめる。
「…眩しい」
スマホが輝いて見えた。
まだ何も始まっていないし、始まる予感もしないのに、
何か変われる気がしたし、私自身が必死に何か変わろうとしているのをヒシヒシと感じた。
A紹介して!今すぐ!
たたたっと指をすばやく動かして、親友に返事をする。
顔を上げると、今にも赤信号に変わりそうな交差点。
慌てて交差点を走り抜けて、スマホをもう一度見る。
親友から送られてきた連絡先。
「深澤辰哉」の名前が画面に浮かんだ。
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minmin(プロフ) - mizuiroさん» ギュンギュンを届けられて嬉しいです！夜は眠れているようで安心しました笑 (2022年5月24日 19時) (
レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
mizuiro(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュン...いえ、ギュンギュンします！！続きが楽しみで夜しか眠れないです！！ (2022年5月24日 10時) (レス) @page41 id: c168ba2284 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - rinaboyaさん» ありがとうございます！面白いと言われるのが一番嬉しいです😊頑張ります！ (2022年5月20日 22時) (レス) id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
rinaboya(プロフ) - ほんとにこの小説が面白すぎます...これからも頑張ってください！ (2022年5月19日 23時) (レス) @page34 id: a9150a3a31 (このIDを非表示/違反報告)
minmin(プロフ) - 深澤りんさん» ありがとうございます！(^^) (2022年5月12日 20時) (レス) @page28 id: 1eb423545c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：minmin
| 作成日時：2022年4月18日 21時
