ヒロイン失格。 《岩田剛典》

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話をすることもなく、2人で並んで歩く帰り道。




いつもの道も、一緒に歩く人が違うだけでなんだか違う道みたいだ。





臣「あのさ、」





静寂を破ったのは、登坂くん。





臣「なんか…悩み、とか？」





登坂くんって、出会った頃から薄々思ってはいたけど単刀直入に聞くタイプだ。





臣「俺にさ、話してくんない？小さい悩みでも、共有すれば心軽くなるからさ、な？」




貴「うん…」




でも。





登坂くん、ごめんね？





この悩みは、登坂くんを傷つけることになるかもしれないから。





貴「登坂くん、私と帰ってて楽しいのかなーって疑問に思って笑 ほら、私…可愛くもないし、別に面白くもないし。貴重なオフの日に申し訳ないな、みたいな？」





何事もなかったかのような顔をして、剛典のことで受けたショックを悟られないように。





少し下手な、嘘をつくことにした。

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