小さいあのこ。3 (ページ8)

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緑side

あれから数ヶ月。

誠也くんは完治までとはいかないが治療もひと段落してお家に帰ってきた。

退院してしばらく自宅療養していたが先生からの許可も下りて、明日から学校に行けることに。

赤「やっぱり行くの怖いな」

「兄ちゃんも一緒に行く？」

緑「僕は高校やから行けないよ。前までなら一緒に行けるけど。一緒に行く？」

赤「うん」

念願の学校で嬉しそうにしていたが、不安もあるようでソファーでうなだれていた。

赤「丈とリチャが迎えに来てくれるって」

友だちから連絡が来たようで急に元気になる。

一緒に行こうと思ったのに…

紫「晶哉くん振られたね笑」

緑「うるさい」

るんるん気分で学校の準備を始める誠也くん。

次の日の朝、誰よりも早く起きて張り切っていた。

いつもは声掛けても全然起きないのに…

ほぼ新品の制服に着替えて

赤「何か嫌やな。おろしたて感が」

緑「僕が来てたやつ着る？」

赤「絶対サイズちゃうやん。いじめか。」

「これの方がまだマシや」

紫「大丈夫、似合うよ」

赤「…」

そんなこんなで誠也くんの友だちが迎えに来る。

まだ家の中でぶつぶつ言ってる誠也くん

リチャ「遅刻すんで」

丈「置いてくぞ」

赤「ちょっと待ってや」

急いでカバンを持って玄関に向かう。

紫緑「行ってらっしゃい」

赤「行ってきます」

勢いよく玄関を飛び出していく後ろ姿を見送った。

元気になって本当に良かった。

隣から鼻をすする音が

緑「え、健くん泣いてんの？」

紫「だって誠也くんが…」

涙脆い健くんは号泣していた。

緑「はいはい。遅刻するよ」

紫「心配やな。僕ちょっと着いて行こうかな」

緑「行かんでええって」

(おわり)