小さいあのこ。3 (ページ5)

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がんばる（赤・紫・緑）ページ5

(設定)
赤…中学生
紫…赤の兄、大学生
緑…赤の兄、高校生
赤は病気で入院中
※嘔吐表現出てくるかもなので苦手な方は
読まないで下さい。
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紫side

僕の弟、誠也くんは長年病気と闘っている。

あまり学校にも通えていない。

毎日は行けないけど、病院に会いに行っている。

勉強を教えてあげるのが僕の役目だ。

別に得意って訳じゃないけど…

今日はバイトがないので病院に行き病室のドアをノックする。

紫「入るよ」

返事がないのでそっとドアを開けると

ベッドの上ですやすやと眠っていた。

たくさんの点滴がつながる身体はとても小さく感じる。

持って帰る洗濯物をまとめていると

赤「来てたんや。ごめん、寝てた。」

目を覚ました。

赤「この間教えてもらった数学の問題、全部解けたで」

嬉しそうにノートを見せてくる。

紫「全部合ってるわ、すごいやん」

赤「良かった」

今日の勉強を始めて数分

ちょっと様子がおかしい。

紫「どっか痛む？」

赤「頭な。今日ずっとやから大丈夫。続けて」

教科書を読みながら説明していると

机に突っ伏していた。

紫「今日はやめようか」

赤「大丈夫、聞いてるから」

辛そうに答える。

紫「今日はおしまい。少し横になろ」

赤「…ごめん」

紫「何で謝るんや、いつでも来るから」

もう我慢の限界なようで話すのも辛そうだった。

紫「呼ぶよ？」

ナースコールを押して頭が痛いことを伝える。

少しして点滴を持って看護師さんがやってくる。

「だからさっき点滴する？って聞いたのに」と言っていた。

赤「さっきはまだ大丈夫だったから」

少ししたら効いてくるからと看護師さんはテキパキと処置をして出て行った。

赤「また来てくれる？」

うるうるした目でこちらを見てくる。

紫「いつでも来るよ。明日は来れないけど晶哉くんが来てくれるって」

赤「ありがと」

紫「寝ちゃってええよ」

珍しく手を握ってきたからそっと握る。

痛みもだいぶ良くなってきたのだろう

背中を優しくトントンすると眠りについた。

見守っていたけど、起きる気配はないし、そろそろ面会も終わりの時間なので帰ることに。

病室を出ると看護師さんがいたので話をする。

どうやら僕が来る前から頭が痛かったけど薬を使うと寝ちゃうからいいと断っていたらしい。

僕が来るのを相当楽しみにしていたと。

勉強なんていつでも教えてあげるのに。

我慢はしないで欲しいな。