小さいあのこ。3 (ページ24)

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紫side

まだ高校生の息子にこんな話をしないといけないなんて。

でも晶哉は大事な家族だから本当のことを伝えた。

優しくて真面目な良い子で、たくさん助けられてきたし、我慢もさせてきた。

緑「これで泣くのは最後にする」

紫「お父さんも」

幼馴染のまっさん、会社の同僚リチャさんなどに話をすると出来ることは何でもすると言ってくれた。

家に帰る準備が着々と進んでいった。

『本当にもうお家帰れるの？』

キラキラした目で嬉しそうに聞いてくる。

徐々に強い薬も抜いていって、食欲も出てきた。

元気になったように見えてきた。
このまま、治りましたよってならないかななんて思ったりもした。

今日は病室に行くと姿が見えず、看護師さんに聞くといる場所に案内してくれた。

リハビリの先生と歩行の練習を一生懸命していた。

看護師さんが「お家に帰ったらいっぱい歩かないとだから、お父さんをびっくりさせたいって言ってましたよ」と教えてくれた。

前回の手術と治療の影響で右足が動かしずらくなってしまった。

今までは治療の副作用が重くてあまりリハビリすることができなかった。

病室に戻り、もう帰る日が近づいてきたため荷物をまとめていると

赤「今日はお昼ご飯全部食べれたよ」

と笑顔で報告してくれて嬉しかった。

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退院の日

紫「今日、部活休んだんやろ。ごめんな」

緑「いや早くせーちゃんに会いたかったから」

晶哉と車で病院に向かった。

先生と話している間に晶哉が荷物をまとめくれていた。

久しぶりに晶哉に会った誠也は嬉しそうにずっと笑っていた。

『お世話になりました』

看護師さんたちに見送らせて病棟を後にする。

晶哉と手を繋いでゆっくり歩く誠也。

疲れたのか途中で止まってしまった。

モジモジしながらチラチラとこっちを見上げる。

多分抱っこしてもらいたいんやなと薄々気づいたけど荷物持ってるし。

緑「大丈夫？」

晶哉がしゃがむと、ギュッと抱きつく誠也。

「もう、しょうがないな」とそのまま持ち上げる。

満面の笑みで本当に嬉しそう。

「甘えん坊さんやな」「ちゃうもん」

「もう降りる」「降ろさへんよ」

駐車場まで2人で仲良く言い争ってる姿が可愛かった。