: ページ5
.
同窓会前日の金曜日。残業終わりに家に来た亮平は私のドレス姿を見てぽかんとした顔をした。
…その表情か。
阿「どこか行くの？そんな格好して。」
「ずっと言ってた高校の同窓会、明日なの。」
阿「嗚呼、言ってたね。明日なのか、行ってらっしゃい。」
私の家まで来てパソコン開いて仕事なんてしないで、って言えればどれだけ楽だったんだろう。
『綺麗だね。』って、その一言さえあれば何か変わっていたかもしれないのに。
昔はただの私服を着てくれても可愛いって言ってくれてたのにな、なんて思い出に縋っているのは私だけだった様で。
焦り過ぎちゃった罰なのかな。
「亮平、仕事大変そうだね。」
阿「新しいプロジェクト、リーダー任されたんだ。これに成功すれば昇進間違いないんだよ。」
「…そっか、頑張ってね。ご飯どうする？」
阿「ごめん、これだけやらせて。」
亮平は優しい、素敵な人だと思う。
真面目で仕事は出来るし、上司からも部下からも同僚からも頼りにされている、自慢の彼氏。
…自慢の、彼氏。だよね？
ドレスを脱いでエプロンをしてキッチンに立ってご飯を作っても、彼の目はパソコンから離れない。
ここ数ヶ月、ずっとこんな感じだ。
このマンネリ化した日常に、飽き飽きしていたのは私の方だったんだね。
縋っていたんじゃなかったみたい。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 349人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
た あ す ん 。(プロフ) - ぽにょさん» 嬉しいお言葉、本当にありがとうございます。阿部くんsideのお話をずっと書こうか迷っていたので、これを機に書きたいなと思います。背中を押してくださりありがとうございました、どうかそちらでもよろしくお願い致します。 (2020年7月7日 1時) (
レス) id: b94247b389 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょ(プロフ) - 切なすぎて泣けました、、、これあべくんとの幸せなエンドも番外編とかでいいのでよければ書いていただきたいです、応援しています！ (2020年7月6日 0時) (レス) id: 2c3c24b282 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：深
| 作成日時：2020年6月16日 3時
