深澤家の兄妹は芸能界にいる！5！

しんどい時はさ、【深澤家1周年記念番外編】 ページ4

Aside

『…サーカスの団員役…ですか』

ｽﾀ｢はい。原作は累計100万部を突破した人気小説なのですが…｣

『が…？』

ｽﾀ｢Aさんには実際に、空中ブランコをやって頂きたく…｣

『っ』

私の身体能力を見込んでオファーをしてくださったのだけど…

残念ながら私は高所恐怖症だ。

高いところに行ったりする仕事はマネージャーのみっちゃんがいつもは断ってくれるんだけど、超有名な監督から直々にオファーが来たってことで、断る前に話だけでも聞いてみるべきだと判断したんだろう。

『やらせてください。』

この仕事はもしかしたら私のスキルアップに繋がるかもしれない。

そんなことを考えて仕事を受けることにした

─でも後に、私はこの選択を酷く後悔することになる

空中ブランコは高いし

全身は痛いし

本物のサーカスの団員さんにやり方を教えてもらっているけど一向に上手くならない

…何よりも怖さが先に来てしまう。

高所恐怖症のくせに『やる』なんて言わなきゃ良かった

あの時、みっちゃんが

三「無理しなくていいのよ。この役は過酷なものだから…」

って私の事心配してくれたのに。

こういう時には毎回相談に乗ってくれるみっちゃんだけそんなことがあった手前、相談するのが…少しはばかられる

だからか、部屋で1人になった時に涙がこぼれてきて

『っ………ぅうっ……ｸﾞｽﾞｯ』

泣いてしまった

声を押し殺して

ｺﾝｺﾝ

深「A？」

『…ごめ、今でれな』

ｶﾞﾁｬ

深「泣いてんじゃん…どした？」

私の涙を指ですくい取りながら優しく聞いてくるお兄

『…』

深「役抜けなくなっちゃった？」

首を横に振る私

深「仕事場でやな事された？」

首を横に振る私

深「何か、どーしてもできないことでもあった？」

『…』

何も言わないし、何もアクションを起こさない私に対してお兄は優しく微笑みながら

深「あのね、A。いつも言ってると思うけど俺たちは兄妹な訳よ。」

「だからね、苦しい時はいつでも俺を頼って欲しい」

『お兄…』

深「三矢さんの方がAは話しやすいかもしれないけど…三矢さんにも言えないことは、家族である俺が話を聞くから」

「1人で抱え込まないの」

そう言って私のことを抱きしめてくれた。

深「俺たち兄妹はしんどい時支え合うって約束だったでしょ？」

『うんっ…』

その日は沢山泣いた。

『お兄、だいすき』

深「おれもー！」





12/1 Fukazawa Family 1st Anniv 💜

Thank you ❣️

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