深澤家の兄妹は芸能界にいる！5！

俺の天使【深澤辰哉 生誕記念 番外編】 ページ14

Tatsuya.F.side

うちの妹は天使だ

誰がなんと言おうと天使だ。

今や定着しつつある俺のシスコンキャラだけど、昔はそうじゃなかった。

小学生の頃、俺の周りの話題の中心は俺




………ではなく、俺の妹のAだった

2個下のAはまだ幼稚園生なのにも関わらず、彼女の可愛さは群を抜いていた。

話題が話題を呼んで、Aが入学する頃には「深澤家の妹の方めっちゃ可愛い」という話が小学校中に広がった。

次第に、俺は"Aちゃんのお兄ちゃん"って呼ばれることが多くなった。

それがとても悔しかった

今みたいに

「A好き好き！」

よりは

むしろ、嫌いだった

でも、俺が9歳の誕生日

Aが遊びに行ったきり夕方になっても帰ってこなかった。

家族全員で探し回って結局、Aがいたのは公園だった

母「もう！A！」

父「探したぞ」

『ふぇっ……………ｸﾞｽﾞｯ、ごめんなさい』

心配が過ぎて怒るような口調の両親に詰め寄られAは泣きながら謝っていた。

よく見れば泥だらけだし、どっかで転んだのか膝から少し血が出ていた

深「………怪我してるけどどうした？」

近くの水道でハンカチを濡らしてAの傷口にあてる

『いっ………転んだ』

また泣きそうになるA

Aがいなくなってこんな時間だし、A泣いてるし

最悪な誕生日だな

なんて内心思った

深「なんで転んだの」

『………これ』

これと言って差し出されたのは紫色の花

いや、花とは言っても雑草の花

こんなののために泥だらけになったのか

『お兄ちゃん、きょうおたんじょうびでしょ？だから』

プレゼントと言いながら笑ったAが、とても可愛くて

今まで感じていた劣等感とか

少しだけだけど嫌っていた気持ちが全て吹き飛んだ気がした

思わずその場でAを抱きしめて

深「ありがと」

と、伝えると

腕の中のAがふふ、っと笑って

『どーいたしまして！』

と答えた。

…

『ねー、今年の誕プレ何がいい？』

深「今年は聞いてくスタイルなのね」

『うん、』

深「花が欲しいな」

『花？珍しい』

深「ちょっと昔のこと思い出して」

『ふーん、』

Aが買ってきてくれたのはベルフラワーと淡い黄色の花束

そしてAとお揃いのネックレス

深「花束、いわふかなのね」

『バレたか』

俺の天使に貰ったこの花も押し花にしてしおりに出来たらいいな、そう思った。




5/5 Happy birthday Tatsuya Fukazawa💜

おめでとう、もう1人のお兄ちゃん【岩本照 生誕記念 番外編】→←あなたに直接花束を【宮舘涼太 生誕記念 番外編】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す