深澤兄妹1

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深澤side



横になったAにタオルケットを掛けてやり、


そのまま寝ちゃうかなぁ〜なんて考えていたら、







突然泣き出してしまったA。







貴「ｸﾞｽｯ ｸﾞｽｯ」



深「なになに？ど〜したのぉ、 なんで泣いてんの？、、」



照「あららら、 どうしちゃったの、、」



ラウ「Aちゃん、、、」





なんで泣いてるのかさっぱり分からない俺は、


次から次へと流れてくる涙を


指で拭ってやることしか出来なかった。





深「ほんとにどうしちゃったの〜？



どこか痛い訳じゃないよね？


教えてくれないとわかんないよ？」





強がりなAは、普段人前で泣くことなんて殆ど無いから



みんなも驚いているのか、動揺してる。







岩「何か嫌なことでもあったの？」


貴「ﾋｯｸﾋｯｸ ｸﾞｽｯ ﾊｧﾊｧ涙」


深「ほら、また苦しくなっちゃうから泣くのやめようよ？」




発作起こしたばっかりだし、


泣いてたらまた喘息誘発しちゃうから


泣き止んで欲しいんだけど、、



そんな様子は微塵もない。





貴「ｸﾞｽｯ ｸﾞｽｯ っかれた、、ﾋｯｸ」



深「ん？なぁに？ もう一回言って？」




貴「ｸﾞｽｯ もう、、 つかれた、、ﾊｧ、ｸﾞｽｯ ﾋｯｸ ｸﾞｽｯ」





深「そっかそっか、、」




泣きながらポツリポツリと話し始めたその内容は、



ドラマの撮影でNGを連発してしまった事。




セリフを覚える事に追われて

大学の課題を疎かにしてしまったこと。






何もかもが上手くいかない毎日と


それに追い打ちをかけるような今日の出来事。




自分のせいでみんなに迷惑を掛けてしまったことが



完璧主義なAにとっては許せなかったらしく、




我慢の限界になってしまったみたい。







精神的にも体力的にも追い詰められていたAの口から出た


精一杯の弱音が「疲れた」という言葉。







そこで「やめたい」「逃げたい」と言わないのは、



Aの強い責任感があるから。





でも本当は、今すぐにでも逃げ出したいくらい



心も体も疲れきっていたことに



気づいてやれなかった俺は自分自身に苛立ちを覚えた。




全くなにやってんだか、、、。

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