ミルビィアの英雄とゼンディルラの女神【ミルビィア】 (ページ1)

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プロローグ～二人の少女～ページ1

「お～い！A～！帰るよー！」

女友達が私に話しかける

「わかった・・」

私は顔色ひとつ変えず、少しめんどくさそうな声で答えた

そんな私の近く、一人掃除している子がいた

渡邊瑛姫（あきひ）・・

いつも真面目で、性格まで綺麗な子・・

嫌なことをされたって笑顔で難なく乗り切る

本気で人が好きで堪らなく、誰かを心から・・どんな人でも心から・・

愛する子・・

一応、幼馴染・・

だからといって仲がいいわけではない・・

正直、虫唾が走る・・

私はいつもこの子にひどいことをしている・・

自分の持っていないモノを全部持っている瑛姫（あきひ）を妬んで・・

ガンっ！

私は彼女の前のゴミ箱を蹴飛ばした

あ「ごめ～ん・・それ、拾っといて・・」

私はとても低い声で言った

あえてムカつくように・・

なのに瑛姫（あきひ）は笑っている

瑛姫（あきひ）「うん!わかった!あ、どこかいたいとことかない?ゴミ箱っていっぱい入ってると痛いでしょ!?」

・・そう・・いつだってこうだ・・

いい子すぎる・・

あ「・・別に・・」

私はそう言って教室を出た

瑛姫（あきひ）「Aちゃん・・もう・・昔みたいに笑い合ってはくれないのかな・・」

私はイライラしていた

あの子が嫌い・・誰にも優しいあの子が・・大嫌い・・

そして・・こんなことを思う私が・・誰よりも嫌いだった

そんな時・・

「見つけたぞ・・」

あ「!!」

かなり離れた場所・・なのに私にまっすぐ向かってくる人の姿が・・声が・・

はっきりと伝わってきた

あ「・・誰・・」

私は睨んだ

男は口を開いた

「ミルビィアの英雄となる少女・・木村A・・」

私はその男が何を言っているかわからなかった

あ「あんた・・からかってんの・・?」

そう言った瞬間だった

男は腰につけていた剣のさやを抜いた

キランッ・・

あ「!!」

それはどこからどう見ても本物だった

「我ら・・ゼンディルラの女神を迎えに行く前に・・お前を亡きものにする!!」

そう言って尖った剣の先は私めがけて迫ってくる

私はいきなりのことで声も出ず、そこから動けずにいた

瑛姫（あきひ）「Aちゃん!!」

あ「!!」

後ろで瑛姫（あきひ）が心配そうに私を見ていた

瑛姫（あきひ）「だ、誰・・?その人・・」

あ「瑛姫（あきひ）・・」

私が驚いた顔をしたとき、私の前に白い光が現れ、私は何かに抱きかかえられるよう意識を失っていったのだった

「お迎えにあがりました・・瑛姫（あきひ）様・・」

男は瑛姫（あきひ）を眠らせ、連れ去ったのだった