＿＿＿＿４９ ページ2
Tatsuya side.
「何で？」
「....好きな子誘えなかったからだよ」
「え、好きな子いるの！？」
彼女は勢いよくベッドの側まで駆け寄って目を大きく見開いた。
「他の隠し事ってそういうこと？え、誰？」
「言うわけねーだろ」
「なんでぇ〜」
下唇を尖らせながら不満そうな顔をする。
「言えないの？私と辰哉の仲なのに？」
「....言えっかよ」
「私の知ってる子だったら協力してあげるのに」
知ってるやつだよ。知りすぎてるくらい。
....にしてもほんっと何も伝わってねぇのな。
何が協力してあげる、だよ。
協力するくらいなら俺の気持ちに気付けよ。
彼女の耳に光るイヤカフに手を伸ばして触れれば、ピクリと体を揺らす。
「な、なに、」
「んー....翔太とデートなのにこれ付けてったんだなぁって思ってさ」
「だって可愛いから、」
「そんだけ？」
「え？」
「それ一応、男から貰ったアクセサリーじゃん」
「男って。辰哉からじゃん」
知らねーんだろうな。
��離れていても自分の存在を感じていてほしい��
そんな意味を込めてアクセサリーをプレゼントする男が世間にはたくさんいるってこと。
俺がそんな意味込めてたって言ったらどうすんだろ。
「どういうこと？」
「....なんでもね」
ベッドに仰向けになって寝転ぶと、何とも言えない空気感に喉が詰まる。
「で？用事ってそんだけ？」
「ううん、お礼言おうと思って」
Aは律儀に正座をして少し畏まった。
「ありがとね。辰哉のおかげで今日すっごい楽しかったよ」
何の淀みもない綺麗で柔らかい笑顔が無情にも俺をズタズタに切り裂いていく。
「次のデートの約束も出来たし、すっごい感謝してる。ありがと」
こう何度も恋愛対象ではないと突き付けられると、いい加減馬鹿馬鹿しくなってくる。
....本来の俺なら、次に進んでるはずなのに。
これでもまだ、やめられそうにない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2241人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cleam(プロフ) - りほこさん» りほこ様、お返事が大変遅くなってしまい申し訳ございません……お恥ずかしながら通知を見落としておりました🙇🏻♀️私自身も苦しくなりながら書いたものだったのでそう仰っていただけて光栄です。ありがとうございます！ (12月14日 20時) (
レス) id: e2ba919ba9 (このIDを非表示/違反報告)
りほこ(プロフ) - めっちゃ泣いた…小説で久しぶりにめっちゃ泣いた…この作品本当に大好きです😭 (2022年5月10日 1時) (レス) @page50 id: e6d24bafa3 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - つばささん» つばさ様☺️楽しんでもらえて良かったです！（個人的に）なべさんにも幸せになってもらいたかったので少しだけ匂わせられてよかったです🤤笑 (2021年10月28日 20時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
つばさ(プロフ) - あぁ…しょぴにも幸せの兆しが少し見えて、ふっかとは甘々で…もう堪らんです！！続編も最高でしたっ♡新作の方も無理せず更新して下さいね！これからも応援し続けます〜！！！cleam様らびゅ〜♡です( *´艸｀) (2021年10月24日 17時) (レス) @page50 id: a84a28701a (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - 未憂さん» コメントありがとうございます！最後の最後に....えぇ？って感じですよね（涙）深澤くんのハッピーターン（？）楽しんでもらえてよかったです！渡辺くんにはいずれまた素敵な出会いがあることを祈りたいですね（ ; ; ） (2021年10月14日 23時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cleam
| 作成日時：2021年9月15日 23時
