好きだからこそ居られない・・【SARU】 (ページ11)

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ｍｉｓｓｉｏｎ１１ページ11

ウィィィィン

「SARU！」

ギリスとメイアが声を合わせて僕の部屋に入ってくる。

「・・あの・・Aは・・？」

僕は静かに首を横に振った。

メイアとギリスは悲しそうな顔をした。

「気にすることはないさ。二人の作ってくれた「あれ」は飲ませてきた。」

その言葉を聞いて、二人は少し表情を和らがせた。

「そう・・それならもう連れ戻すのも簡単ね」

「今すぐ行動に出よう。」

メイアとギリスが僕に背を向け、部屋から出ようとする。

だけど、僕はそれを止めた。

「まだいいよ。」

その言葉にメイアとギリスは驚いた顔で僕を見た。

「ど、どうして・・？だって・・行動は早いほうが・・」

僕はメイアに笑ってみせた。

「ちょうどおじさんたちに見せつける機会だ。」

「SARU・・一体何を考えているんだい・・？」

ギリスは僕に問う。

僕はそれに答える。

「Aは今、フェイといる。結果的に、その姿を見たおじさん達は・・Aは僕たちに寝返ったと思うだろうからね。」

そう・・おじさんたちには思い知らせなきゃ・・。

Aは僕らの・・いや、僕のものだ。

誰にも・・渡しはしない。

「まだしばらくは様子を見よう。おじさんたちがAに手を出さない限りはね・・」

今はまだ自由にさせてあげるよ・・A・・

だけど、君は僕たちを裏切った。

だからここに戻ってきたら・・

二度と外へは出られないだろうけどね・・

・

・

「わぁぁぁ！あの人がかの有名な「織田信長」！」

私は自分の目をこする。

ゆ、夢じゃないんだ・・！

まぁ・・私は幕末が好きなんだけど・・

そんなことを考えていた時だった。

私の前にベータたち、ルートエージェントが現れる。

ベータ以外の視線が私に鋭く突き刺さる。

「なっ・・！！A！？」

一番最初に反応したのはオルカだった。

オルカは・・私とベータの一番の友達だった。

だから・・合わせる顔がない。

「そんなに驚いちゃうことですかぁ？だってぇ～もともとあの子は裏切り者なんですからぁ～。」

ベータの言葉に雷門全員の視線が注がれる。

口々に「あやしいとおもっていた」とか、「やっぱり・・」とか・・色々言われる。

言われるのはよくあるけど・・なれない。

だけど、そんな私をかばってくれる人がいたのだった。