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木兎side
『…多分父親のことに関していろいろ後悔があるから、上手く言葉が出てこなかったのかな……と
……すみません面白くもない話を長々と』
木兎「……そっか……大変だったんだな」
Aの話を聞いて、何となく彼女の今までの言動や雰囲気に納得がいった
木兎「……この話するの、俺が初めて?」
『………はい』
やっぱりそうか
自分から話をするようなタイプではないとは思っていたが、ここまでとはな
でもさ、そんなに抱え込む必要もないだろ
木兎「Aは自分のこと話さなさすぎなんだよ」
『……いや、テストで1位だったとか、何かで賞状をもらったとかなら母親には話してますよ』
"母親には"ってことは他の人には言わないんだろうな
……そうじゃなくて
木兎「自分のことっていうのはそういうのだけじゃなくてさ
もっとこう…悩みとか…どうでもいいこととかもだよ」
『そんなの、相手に何のメリットもない…と思って』
……すーぐそういうこという
大人びてるんだか、かっこつけてんだか
木兎「お前はな………考えすぎ
俺は今の話聞けて良かったと思ってるし」
元からの性格と、いろんな出来事のせいでこうなっちゃったのかもしれないけど
木兎「喋った方がいいことだってあるかもしれないじゃん」
あんま難しく考えないでいいんだよ
『……そうですね』
そう言ったAは少しだけ吹っ切れたようにも見えた
『にしても木兎さんって、時々すごく先輩っぽいこと言いますよね』
木兎「時々じゃなくて常にだろ?」
『ソウデスネ』
木兎「なんでカタコトなの」
『ソンナコトナイデスヨー………っははwww』
どこか子どもらしく無邪気な笑顔が、かつて出会った少女のものと重なった
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HaL(プロフ) - #yuyu*☆さん» そう言っていただけて嬉しいです!更新は遅いですが、完結まで書いていくつもりなので何卒…<(_ _)> (3月10日 17時) (レス) @page26 id: 16a74d7f67 (このIDを非表示/違反報告)
#yuyu*☆ - めっちゃ面白かったです!(^O^)続きが気になる...笑 (3月3日 20時) (レス) @page24 id: fa3715230e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HaL | 作成日時:2024年1月9日 0時