心からの愛を叫ばせてください。 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:11 hit、合計:36,880 hit

6 ページ6

学校はかれこれ5ヶ月間行ってなかった。

前までも保健室ばっかり行っていたから

進級できたことが奇跡だ。

こればかりは塾にいくつも通わせて

厳しく育ててくれた親に感謝するしかない。

わたしがいない間にクラス替えが行われてたらしくて

3組から5組になっていた。

2年生になってから1度も学校に行ってないから

今日、はじめて顔をあわせるクラスメートも少なくない。

ちょっとはやく来すぎたかな。

そう思って教室に入ったけど

そうでもなかった。

数人いすに座って勉強している。

その中の1人がわたしに気がついた。

…最悪だ。

その人は前も同じクラスで

なにかとわたしにかまってくる。

名前は今津渉。

渉「あーっ！すみれ！」

渉くんのその一言でいっきに視線があつまる。

渉「やっと学校来た！ほんま、心配してたんやで!?」

ほんと、大声で叫ぶの

やめてくれないかな。

『(ちょっと来て。)』

わたしは渉くんにジェスチャーと口パクで伝えて教室をでた。

渉「なに？あ、まさかの告白!?
　いやー、照れるわ～！ちょ、待ってな、心の準備が…」

いや、違うから。

そんなつもり1mmもないから。

そう言いたくても声が出ないから

かわりに頭を軽く叩いてあげた。

それから紙とペンを取り出して

こう書いた。

【わたしの席ってどこ？】

渉「なんだ、そんなこと？
　期待してもうたやんww」

渉くんはわたしの手を引いて教室の中に入っていって

そのまま自分の席についた。

『(…え。)』

渉「えっ？」

【わたしの席ってどこ？】

渉「そこ。」

渉くんが指さしたのは

隣の席。

渉「クラスもいっしょで席も隣なんて運命感じへん？w」

もう一回頭を叩いてあげようか。