心からの愛を叫ばせてください。 (ページ12)

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カラオケってこんなに楽しいんだ。

声が出ない私には

いままで全く無縁の場所だったけど

パフォーマンス部のみんながいてくれたからすごい楽しかった。

翔史「んじゃ、今日は解散！」

力也「お疲れした!!!」

乃々華「すみれ、家そっちだったっけ。」

『(うん。)』

乃々華「そっか、じゃあまた明日！」

渉「すみれ明日！」

『(うん、ばいばい。)』

みんなとは家の方向が逆らしくて、

カラオケで分かれてひとりで家に帰る。

ひとりはだいぶ慣れてるけど、

夜道は怖いし少し寂しい。

『(ふぅー。)』

太樹「すみれおつかれ！」

『(へっ！？)』

ずっと一人だと思ってたのに…

太樹さん…？

なんでいるの。

しかもいきなり呼び捨てになってて、

びっくりした…。

太樹「いままで俺だけ方向ちがくてさ－、いつも帰りぼっちだったの」

『(う、うん。)』

太樹「でも今度からはすみれがいるから寂しくない！」

太樹さん、そんなに寂しがり屋なのか。

こっちとしてもいっしょに帰れる人がいるのはうれしいし、

まぁ、いっか。

太樹さんは優しい。

会話がなくならないようにたくさん話しかけてくれる。

だけどそれも、

私が困らないようにってYESかNOで答えられるものしか聞かない。

なんで？とか深追いされるのは好きじゃないから

それもうれしい。

結局太樹さんは家の前まで送ってくれた。

【ありがとうございました。】

私はスマホに打ち込んで太樹さんに見せた。

太樹「いいえ！
これからはいっしょに帰ろうね、ぼっち寂しいからw」

『(はい。)』

太樹「それから！敬語はだーめ！
　明日敬語使ったらお仕置きね？」

『(え、あ…。)』

太樹「それから、太樹さんじゃなくて太樹くん!」

太樹さ…くんはそう言うとバイバーイって手を振って

今来た道を戻っていった。

わざわざ送ってくれたんだ。

ありがとう。

私の家はなぜだか明かりがついていた。

どうせまた、壱馬くんだろうと思ってげんかんをあけると、

…多い。

やけに靴が多いぞ。

おそるおそるリビングの扉を覗くと、

なにこれ。

男だらけだ。

壱馬「お、すみれ！おかe…」

ガチャ。

いったんコンビニでも行って頭冷やしてこようかな。←