ママと深澤くん。【紫】

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Tatsuya side.









辰「すみません。今日、A悠斗の代理送迎で来た深澤と言います。」








先生に必要書類と身分証を渡し確認をしてもらってる間、ボーッと園を眺めていた。






あ、悠斗だ。






楽しそうに何かのごっこ遊びをしている悠斗を見つけて思わず笑顔が零れた。








先生「お待たせ致しました。」







身分証を受け取った後、先生が悠斗を呼びに教室へ入っていった。








先生「悠斗くーん！お迎えだよ〜」



『えー！きょうはやいなぁ、』








ふふ、一丁前に文句言うんだ。

なんて少し面白くなってしまう。








先生「深澤さんってお兄ちゃんが迎えに来てるんだけど、分かる？」



『ふざかわくんがきてるの！？』



先生「ふ、ふざかわくん？」









先生が戸惑っている。

まぁ、無理もないわな。








『ふざかわくーん！』



辰「おぉ〜悠斗〜」



『なんでなんで？ママは？』



辰「んー？ママはお家で待ってるから大丈夫だよ。今日はふざかわくんが迎えにきた。」



『わーい！』



辰「すみません、ありがとうございました。ほら悠斗、先生にバイバイして。」



『せんせい、またあしたね〜！』









そう言って先生に手を振った後、さも当たり前かのように俺の右手を握った。

こんな小さなことなのに、めちゃめちゃ嬉しい。

顔がニヤけていないか心配だ。





そう思いながら歩く、家までの帰り道。


さっきまで『ふざかわくん！ふざかわくん！』とはしゃいでいた悠斗が真面目な表情でポツリと呟いた。





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