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ふっかとの電話を終えて
彼はいないけれど彼のデスクの方を見つめる
「恋の種まきってなにするんだっけ…
３秒見つめてさっとそらす。あとは〜
あっ人の褒めないところを褒める。あとは〜」
なんだったっけなぁと考えていれば
『残業お疲れ様です』
「あ！お疲れ様
…あぁもうこんな時間か目黒くんはまだ帰らないの？」
そう問えば私の方に来て椅子の背もたれに手をかけて
『主任1人置いて帰れませんから
これ、資料まとめました。どうぞ』
「ごめん気遣わせて
帰っても大丈夫だよ？」
『主任も終わりですか？』
「うん」
『じゃあ〜一緒に帰りません？』
「あぁ、いいよ」
『外で待ってますね』
またあとで、と彼は会社をでていって
取り残された私は出ていく彼を見つめながら
彼はどう言う感情でこの行動を…？と頭を抱えた。
悶々としたまま彼との帰り道
「あのさぁ…」
『はい』
「いや、なんでもない」
『あの…』
「うん？」
『会社をでたからもう仕事じゃないですよね、今』
「うん、まあそうだね」
すると彼は足を止めて
私をじっと見つめて
『じゃあ、下の名前で呼んでいいですか？』
これ、恋の種まきだ。
『Aさん』
「…はい」
『ほんとにいい名前ですよねAさん。
…あっAさんさっき言いかけたのって』
「あぁ、いや、いいのなんでもない
お疲れ様でした」
『お疲れ様でした』
そう言って別れた後も
彼の視線はずっと感じてて
ねぇ深澤辰哉
私、恋の種
まかれた…かも
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作者名：Fu-ka | 作成日時：2020年5月11日 21時
