僕はまだ君を愛さないことができるII (ページ39)

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「常務、山本チーフの後任のことなんですけど」

『ああ！受けてくれるの？』

「目黒くんを推薦します」

『え？』

「キャリアは浅いです。でも向上心があって丁寧な仕事ができて
先の先まで読む力があります。彼の仕事ぶりには私も脱帽しっぱなしでした」

『なるほどね』

「はい、お願いします」

『考えておきます』

「では外回り、行ってまいります！」

．

私の良いところは傷つけられても相手の長所は認めてあげられるところ
少し清々しい気持ちで会社を出て歩いていた

．

『Aさん！

あの…本当にありがとうございます』

振り返れば目黒くんが深々と頭を下げていた

「あなたに能力がなきゃ、推薦なんかしない」

『俺、Aさ…主任に取り入ろうとしてました。すみません』

「あなたはすごく頭がいいし気が利く
でもその能力を利用して誰かを傷つけたりはしないで

…がんばってよ！お父さん」

『本当にすみませんでした

俺…俺絶対Aさんみたいなかっこいい人間になります』

「応援してる」

．

目黒くんにいつか会った時がっかりされないように
’’かっこいい人間’’であり続けなきゃ
そう心に誓った