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私が渡辺翔太の名前を出せば驚いた顔をするふっか
きっとこの名前を出さないよう今まですごしてたんだろう
．
「俺は付き合う前から分かってたよ
散々忠告しただろ」
「いい男と悪い男を見極めるためにあえて人生経験を積んでみたかっただけなの」
「…今も引きずってるくせに」
．
核心を疲れた気がして何も言えない私をみて「やめよあいつの話なんて」と言った
でも絶対にふっかは何か思ってることがある顔してる
．
「何よ言いたいことあるなら言いなさいよ
酔っ払ってるから明日になったら忘れてるし」
「なら言うけど。あいつと付き合ってた時のAが俺は一番嫌いだった」
「なんで」
「あいつに従ってばっかりで自分がなくなってた
なんか…あの頃のAは自分を偽ってて、別人みたいで」
「そんなことない
ちゃんと自分の本音で好きだったことも確かにあった
…それに。嫌われたくないから自分を偽ることもある」
「そうやって自分を見失うんだよ」
「そうやって相手を引き止めておかないと男はどっか行っちゃうじゃん！
釣った魚に急に餌もやらずに？だんだん飽きて。次の獲物を狙うじゃん…」
「それは男として認める
でも、Aの問題はそうじゃない。見る目がないってこと」
「ダメ男ばっかり引っかかってるって言いたいわけ？」
「…実際そうだろ？」
．
言われてばかりじゃ悔しくて
．
「ふっかも全然長続きしないじゃん。いつも振られるくせに」
．
言い返せばなんだか切なそうな顔をして私を見つめるふっか
．
「何よ」
「俺が振られる原因は」
．
そう言って私が座っているベッドに向かって来て
隣にストンと座り私を見つめたまま
．
．
「彼女たちが、俺の一番の親友を、受け入れられなかったから」
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作者名：Fu-ka | 作成日時：2020年5月11日 21時
